メッシの国からやってきたの巻④
「そうさなあ…二十……何年前だな。その魚。」
近くに降りてきたその初老の男はここ人工湖「HF」は常連らしかった。
「白身でさあ…旨いんだよ。フライとかにして。」
丁寧に調理法まで教えてくれている。
しかしながら我々は釣った魚をおかずに持って帰る習慣がない。
しかもその真横では苦労しながらもやっとの思いでビッグフィッシュを寄せた男がまだかまだかとネットを待っているのである。
お礼もそこそこにすかさずリリースしようとするパックンに男は言った。
「え?いらないの?旨いよ…俺もらっていい?」
頼む。
あげるから。
自分が上げたんじゃないけど。
とりあえずネット……くれ。
するとそんな空気を感じとったのか男は
「ああ…そっち上げるのか……じゃあもらうね。」
とエラをつかんで自分の場所に戻っていくのだった。
男の反応は薄かったがこちらのビッグフィッシュも60センチ近い魚体。
「いやあ…20匹分ぐらいの大物だねえ。」
と嫌みをいう「パックン」に
「いやいやしょっちゅうこのぐらいのは釣るし。」
と精一杯の強がりで応えたのです。
数分後。
初老の男が再び声をかけてきました。
「あれね…『ペイレイ』だって。」
「ペイレイ!?」
【つづく】
※未だ手探り足探り、もがき続けてみるも陸地が見あたらんのです、キャプテン。
