日本印度化計画
「知ってる?『イチロー』ってカレーしか食わねえらしいぞ。」
友人Tは声高らかにファミレスでカレーを注文し、そう言った。
ええ!?マジで!? ………って程のリアクションを返す程の話題でも無い上に、そのエピソードは結構有名と思われ、微妙な返事で返した。
「カレーはスパイスやら、唐辛子の成分が脳を活性化して、脳内年齢とともに身体のなんちゃらかんちゃらが……」
今朝TVで得たらしい情報を垂れ流す友人T。
踊らされている。
完全に踊らされている。
だから何だって言うのだろうか。
「だから俺もカレーしか喰わない事にした。」
本物だ。
完璧だ。
混じりっけなしのピュアセレクト・バカが目の前にいる。
やらせよう。
面白いから確実に、いや絶対やらせた方がいい。
カレーのスパイスやら唐辛子のなんちゃらかんちゃらが頭に「効く」かもしれないのだから。
でも毎日食い続けたら身体じゅう真っ黄っ黄になんじゃないの。
ターメリックで。
「最近じゃ白いカレーやらココナッツカレーやらターメリック使わないのもあるし…つうかじゃあインド人みんな黄色いか?」
カレーってカロリーも高いらしいよ。
「そんなことねえって。インド人にデブいないだろっ!?」
ブッチャー。
「あいつはテキサスにステーキの店持ってるからだもん。タイガー・ジェットシンは肥ってねえぞ。あとカレクックもっ!」
アニメじゃん。
「とにかくカレーは良いんだって!」
じゃあ絶対毎日食えよ。
「う、うん……でもなあ…家族の協力無しでは…」
知らねえよ。
「最悪あれか!カレー味なら言い訳だ。」
おいおい。
「カレーの翌日、カレーうどん的に…」
どうなの。
「翌日はカレー味の唐揚げとかね。」
もはやカレーではないよな。
「そうだ!カレーパウダーを持参してそれをかけて…」
おう。
水にもな。
「………え?」
飲めよ。
カレー。
「水筒もってく?」
おう。
吸えよ。
カレー。
「お……おう………そう言えば「カレーアジ」ってキノコあるんだって。」
だからなんだよ。
「………別に。」
もはやカレーの身体への効能はどこへやら、カレーを食べ続ける事にのみ執着しているバカの殿堂、友人T。
しかしながら何故に今から「カレー漬け」を実践しようというのだろうか。
「そりゃあ、「イチロー」みたいになるためじゃんか!」
友人Tよ。
俺達、イチローと同い年だぞ(泣)。
