つりぼり十番勝負≪HF編≫③ | human being

つりぼり十番勝負≪HF編≫③


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帽子だけにとどまらず、身体まで飛ばされそうな強い風は湖面に浮く桟橋の上ではさらに激しく少々きつくなってきました。耐えてそこにいたい程の釣果もありません。

すると「三平坊ちゃん」の「パックン」(「美味しそう……」と「GOGOカレー」のバイトの女の子をガン見。ハマった原因はカレーの味だけではなさそうなおっさん)はわたくしの目を見つめるのです。

しかしながら言葉は発せず。

でもわたくしには三平坊ちゃんの言いたいことは伝わるのでした。


前回、雪で延期したその翌週に三平坊ちゃんは様子見と言いつつここ管理釣り場「HF」にやってきたのです。

そして様子見と言いつつ竿を垂らし、

様子見と言いつつ本気を出し、

様子見と言いつつ自己最高匹数「116」という記録を出しました。


確かに素晴らしい記録。しかしながらわたくしがいまいち尊敬の念を向けられないのは、この広大な湖を前に「とある一カ所だけ」で釣り続けたその「ちっさい釣り」に他なりません。

1、2時間の釣りならば分かりますが、12時間「そこだけ攻め」。

しつこいのを通り越し、もう『マニア』の域と言うほかありません。


三平坊ちゃんはその過去の栄光がチラつくその場所に行きたくてウズウズしているのでした。じらせにじらせて

「もうっ!ボキ、アソコに行くズラっ(泣)!!」

と発狂するのを待とうかとも思いましたが、この湖ほど大きな心の持ち主のわたくしはそっと伝えてあげるのです。


「じゃあ、アソコ行ってみますか?」


モゲるほど大きく首を縦に振る三平坊ちゃん。

そして桟橋を降りると釣りながらそのポイントまで向かうのかと思いきや、一気に岸からかけ上がり、湖を囲む通路を走るかの如く通って一気に「アソコ」へと向かうのでした。

その後ろ姿は完全に「ウン〇を我慢して家に帰ろうとする小学生」ほど焦っているように映るのでした。


                                                  【つづく】