つりぼり十番勝負《USJ編》⑤
ポイントを移すも安定した釣果の出る「パル」。今度はわたくしがMr.コンスタンティンとなっています。対する三平師匠こと『パックン』(「カーペット洗いたかったのに!」聞いた全員が「知らねえよ!」とつっこんでる事を知ってか知らずか40歳)もやや釣果は上がってきたようです。負けてはいられません。
すると脇の車道を管理釣り場の車が通りました。放流タイム(魚を放流する時間)がやって来たようです。上流から仕切られたポイントごとに放流していきます。が、やや下流側わたくしから下への放流はありませんでした。しかしながら魚もたっぷりいるようですし、釣果がさがってもいないのでそのまま釣り続けました。
相変わらずのMr.コンスタンティン。それでも派手めの色のルアーにはだいぶ飽きてきたようで思った結果がでなくなっていました。淡い色のルアーで、何とかつないぐ。プラグ(ルアー)を投げてみる。いろいろ試して、何とかMr.コンスタンティンを死守しようと必死です。
すると上流の三平師匠の動きが何だかにわかに慌ただしいではありませんか。
一瞬、冗談かと思いました。
キャスティングしてすぐさま竿を立て、座ってネットで取り込む。すぐさま立ち上がってキャスティングまた座る…立つ、座る、立つ、座る。気の違ったヒンズースクワットのような動き。
有り得ない程の爆釣タイムを迎えたようです。三平師匠もここぞと思ったのでしょう、もう機械の如しです。こちらも手は休めずに見ていましたが、あまりの爆釣っぷりに言葉を失ってしまいました。
そんなわたくしの悔恨の視線に気付いたのか、こちらに自分のルアーを見せて指差し、ジェスチャーで「この色を早く巻け」と言ってきています。
しかしながらその色はもう既にスレてしまった、オレンジ色のようです。一応そこまで言うのならと投げてみましたが爆釣はおろか、バイト(魚がつつく感じ)さえもありません。
再び三平師匠を見るとまだ爆釣タイムは終わっていません。ヒンズースクワットの速度は速まっているようです。
「畜生、畜生」と呟きながらルアーを投げるも、その悪しき感情がお魚に伝わるのかMr.コンスタンティンを返上する時が来たようでパタリと釣果が止まってしまったのです。
上流の三平師匠もそろそろ「フィーバー」が収まってしまったようです。見ず知らずのオッサンと談笑なんぞかましています。
サングラスをしていても解る、にやけた顔が近づいて来ました。
その姿は少し滲んで見えました。
そしてわたしは泣いていることに気づきました。
《つづく》