つりぼり十番勝負《管理釣り場「N」編》①
「も…もう我慢できないっ!発車していい?」
「来て!来てっ!」
朝4時半の「現・釣りキチ三平ホルダー」こと『パックン』(透明な糸で川では爆釣さ!と息巻いていたのに、
見えない、見えないと泣きをいれる「老眼」のニクイあいつ)
と中年男性二人とは思えない様な濃密なメールのやり取りを交え、わたくし「つ・五平」との
『つりぼり十番勝負《管理釣り場「N」編》』での戦いの火蓋は切って落されたのでした。
今回の「管理釣り場N」は一見は「ポンドタイプ(池)」に見えますが、実際は川を仕切った釣り場と事前の
インターネットの調べはついておりました。
前回の完全に川を仕切った「管理釣り場H」での惨敗が頭を過ぎりますが、あれからかれこれ一か月。
毎週近場の管釣りに通い詰め、「右投げ左巻き」を体得した今、「三平師匠」の胸を借りるつもりで………
いやいや、 「積怨のこの恨み、はらさでおくべきかっ! 」と白装束に頭に竿を差して決戦へと向います(嘘)。
さすがの早朝、渋滞などなく営業時間の6時丁度に現場に到着。
速かに受付、準備を済せいざ釣り場へと向います。
確かに、一見は池に見えますが、確実に川を仕切った形です。
しかしその中央はあまり流れがある様には見えません。
「では、いざ出陣!」
おじいちゃんの様な掛け声と共に二人はお魚の食い気の高いと思われる「流れ込み」(上流)から
セオリー通りの釣りを試みるのでした。
序盤は何処でもお魚の好みのルアーや色やその動きをいかに捉えるかが勝負の鍵です。
持ちうるルアーをこまめに換えつつお魚ちゃんのご機嫌を伺います。
しかしながら全くお魚ちゃんが反応してくれません。
ちょっとの「アタリ(お魚がルアーを喰ったりつついたりする事)」も感じない………。
すかさず「三平師匠」を見ます。
やはり師匠もそうなのでしょう、小首を捻ってしまっています。
そのうち困り果てたのか、対岸で釣っていた師匠はこちら側へとやってきました。
「どう?……きてる?」
「ええ!爆釣っす!」
と嘘もつけないので、
「いえ、不感症です。」
と赤裸々告白しました。
「いや、何だか解んないなあ…」
完全に「困っちゃった感」たっぷりアッピールをする「三平師匠」。
勿論こちらも困ってはいましたが、ここ何度かの「悲惨な釣果」はわたくし「五平」の「ガラスのハート」を
「アルミのハート」ぐらいまでには強くしていたのです。
「まあ、これからっすよ!」
極めて明るく、「月刊明星」の表紙ばりの笑顔で三平師匠に答えます。
「う、うん……そうね。」
そして各々ポイントへと戻ろうとすると、いつもと違う「サウンド&スメル」が僕ら二人を包んだんだ…………。
《つづく》