つりぼり十番勝負《管理釣り場「H」編》③
ヒドく竿をしならせてこちらに
「デカい!デカい!」
とアッピールをする『釣りキチ三平師匠』こと『パックン』(コンビニのATM端末の使い方が
分からない上に文字も老眼で見えないと店員のお姉さんに操作をやってくれと甘える40歳のおっさん)
序盤隣りに並んで釣っていたのですが、「つ・五平」のわたくしはポイントを変え、
川を仕切った石を伝って川の中州での釣行中の出来事です。
確かに激しいバトル。勢い良く水飛沫を魚が上げています。
「上がんない!上がんない!」
困っていると言うより嬉しくって仕方がないような表情で三平師匠はこちらにアッピールを続けるのです。
「フンッ!遊んでねえで早くあげろや!」
悔しさが込み上げその様な悪態をつきつつ師匠の糸先の動向を見ました。
左右に激しく動く魚………。
「スレ(口以外の魚の体に針が掛かった状態)てやんの!プッ!」
と思った刹那、魚が一瞬水面から体を上げました。
「……………!!??…デカっ!!!」
確実にアゴにフックされた上とてつもなく大きな魚体。
わたくしは足場の岩に竿を置き、そして川岸へと石を飛んで師匠の元へ駆け付けたのです。
『釣りキチ三平』の称号をかけた勝負の敵とはいえ、ここは手を貸してやるのが「武士」(誰が?)の
情というもの。
タモを取り、師匠に声をかけます。
「師匠っ!焦らず、慎重にっ!」
「お…………重っ!!!」
川岸まで寄っては逃げ、寄っては逃げを繰り返す「アンドレ・ザ・ジャイアント」。
タモに入るかも不安な程のサイズです。
川に一歩足を入れて何とかタモへと「アンドレ」を納めました。
「うわっ!…デカい…。」
思わず声に出してしまいました。50cm近い大物です。
三平師匠は言いました。
「ご、五平……軽やかに石を飛んで素早く来たお前に
『谷地坊主』を見たよ……。」と・・・・・・。
「つ・五平」から『谷地坊主』への昇格……………。
いいのか…………?
………俺。
《つづく》
(「釣りキチ三平」知らない人にはなんのこっちゃわからんオチですんません。)
