つりぼり十番勝負《ニジマス編①》 | human being

つりぼり十番勝負《ニジマス編①》

人間発電所



「投げて巻きゃいいんだよ。五平。」



「三平」称号ホルダー、『パックン』(アラフォーならぬ「ジャスト・フォー」・好きな女性のタイプは

「SoftBank」CMの高校生と公言してしまうストライクゾーンの低すぎる危険なオヤジ)


が「ルアー釣り」は初体験と告白した私こと『つ・五平』に言い放った冷たいアドバイスです。


それほどまでに敵対心を私に向け、『釣りキチ三平』を死守しようとしています。



今回の「つりぼり十番勝負」「ニジマス」。それも「ルアー釣り」と相成りました。

「ルアー」など触ったこともない初心者の私に、「バス釣り」の思い出を延々とつりぼりに着くまで語り続ける

「三平師匠」。


しかしながらそのテクニックは上記の通り一切私にはレクチャーしてくれるつもりはないようです。



哀しいかな敗戦濃厚な雰囲気で釣り場へ到着となりました。





早速受付へと向います。


今回は一時間毎の料金設定はなく、最短の3時間の利用を選択しました。

そしてルアーを購入し、竿を借ります。


「『ルアー釣り』はやられた事ございます?」

優しく問い掛けてくれるつりぼりのお兄さん。


「初心者なんです……。」

と初体験のモジモジをからめつつ初々しいアピールをしようと思った刹那、



「僕は『バス』を…ね。」

とビギナーの君は黙っておいでとばかりにお兄さんとの会話を楽しみ始めた「三平師匠」。





「で、お連れの方は………。」

所在無く立ちすくむ私にお兄さんは言葉をかけてくれました。




「は、初めてなんです……。」






「そうですか!投げ方なんかは………」




横に立つ「三平師匠」の見下ろすかの様なまなざし。


これ以上虐げられるのはまっぴら御免です。

いくら「ルアー釣り」が初めてとはいえ、リールぐらい使った事はあります。




「だ、大丈夫です!」

私はお兄さんの言葉にかぶせ気味に元気に答えました。


「あ、そうですか!ではルアーを選んで頂くんですが、今日はこの辺りのルアーが良いかと思います……色を……。」




またまた思い出話からルアーのウンチクを三平師匠に披露されたのではかないません。


すかさず私はやっぱりお兄さんの言葉にかぶせ気味で



「僕、黄色っ!!」

とルアーを選びました。





「良いですか?師匠?」

三平師匠はまあ構わんよ的な上から目線でほくそ笑みつつ




「じゃあ俺はもう一つの方で。」

と余裕を見せつけるのでした。




「ではリールは右巻きと左巻きと………」

「俺は右で。」

「???」



さっぱり何の事か分かりません。「アホの子」の様に「?マーク」をその表情から放出していると



「右手で巻くか左手で巻くかと言う事です。」


これはどうなんでしょうか?気分で選ぶものなんでしょうか?




それ以上のレクチャーの言葉をお兄さんから待ちましたが、どうしますか?的なにこやかな表情。


困って「三平師匠」を見るも受け取った竿のチェックに余念がなく、その上私にレクチャーをするつもりも

ないような素振りです。



「じゃあ、僕も右で。」




「よろしいですか?」


よろしいかよろしくないのかどうだか分からなかったのですが、ここは一番近くにいる経験者

「三平師匠」に合わせるのがセオリーと信じ、「右手で巻くリール」の竿を借りました。




それがとんでもない「三平トラップ」とも気付かずに………。






「では、がんばってくださいね!行ってらっしゃい!」


にこやかな笑顔で私達を送り出すお兄さん。


にこやかな笑顔を返し、元気に返事をする「三平師匠」とは裏腹に、私は初体験の不安で

一杯になりながらも、釣り場へと歩を進めたのでした。





                                                             《つづく》




『つりぼり十番勝負』 過去の対戦はこちら


『戦いの口火』・・・・・・・・・《ヘラブナ編》

『戦いの挽歌』・・・・・・・・・《鯉編》




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