メタネタにしようか迷ったが、これ1枚しか持ってないから今日の1枚にしよう。両者の区別はあんまりないような気もするが、メタルじゃないのや、あんまり歴史が長過ぎるようなベテランバンド、あるいはなんの思い入れもないような最近のバンドだとこっちの扱いになる可能性が高い。
かといって、もちろんどうでもいい訳ではない。その1枚をあえて取り上げるからには、気に入り度はかなり高いとも言える。

最近、久しぶりにレコードやCDを買った。
万単位で買ったのは久しぶり。
今日聴いていたのがこれ。


RANDY PIPER'S ANIMAL / VIRUS


なるべく観ないようにしてる(観ると無意識に買ってしまうから)ROCK AVENUE RECORDSで強くお勧めされていたから買ってみた。当時のW.A.S.P.は大好きだったから。
そのW.A.S.P.のオリジナルギタリスト、ランディ・パイパー。しかし狂人クリスの影に隠れ、しかも2ndまでで脱退、その後の音沙汰が全くなかったから完全にその存在を忘れていた。いや、でもこういうバンドをやっていることはなんとなく聞いたような気もする。
そんなランディが組んだバンドANIMALの、これは2008年の3rdアルバムになる。

まいった。
当時W.A.S.P.が大好きだったおっさんなら聴いたほうがいい。メタネタじゃないから細かいことは書かんが、こんな強力なアルバムが日本盤はおろか紹介さえされないのか。
もともと基礎にはヨーロッパ型のメタルがあったが、イメージや表面的には非常にアメリカらしいバンドだったW.A.S.P.、そこにさらにドラマティックさを加え、バカっぽさを減らして、哀しみをプラスしたような超正統派アメリカンメタル、またVoがどこかブラッキーに似ているから、つまらなくなったW.A.S.P.よりずっとカッコいいんじゃないかって思える。

このバンドで歌うリッチ・ルイスというVo、ブラッキーほど凶暴な声ではないがよく似ている、曲によってはもっと上手くて表現力が豊かな感じで、曲に深みや幅が生まれているような気がする。ブラッキーには出せなかった優しさを持っているよ。
1曲目を聴いた時点であんぐり口が開くほど、これは本物だ。100%買って良かったと思えるね。
正直なめていた。ランディ・パイパーというギタリストも、このバンドも。とんでもない才能を持ったミュージシャンだったんだな。

80年代のあの時代のメタルを、若いバンドが演るのが流行っている。所謂NWOTHMというやつだ、もちろん良いのもいるんだろう。しかしこんな超本物の前にはハ○クソ以下に思える。
ザック・ワイルド風のリフが出てくるのもご愛嬌、いやそれどころか「ザックがマネしたんだろう?」と言えるぐらいの歴史を彼は持っているよ。アルバム全体から魔闘気が出ているような本物の凄みを感じる。震える。



"Cardiac Arrest"


"Don't Wanna Die"


"L.U.S.T."


Virus/Randy Animal Piper

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