LOEWE 2016-17 AW !!! | ダイコ★ブログ

LOEWE 2016-17 AW !!!

 

 

 

 はい。随分と涼しくと言うか、なんだか寒いくらいになって参りましたが、皆様体調など壊されていませんか?

 

 

 また今年も爽やかな秋が楽しめる時期はすぐに過ぎて、寒い冬がやって来ちゃうんですかねぇ。。。嗚呼。突然の気候の変化に、例年以上に着るものがなくて困っています。。。。しかも、今年のトレンド、、、、10月の段階でまだ付いて行けてません。。。。

 

 

 嗚呼、多分このまま春になっちゃう。。。。

 

 

 

 

 今日はPARIS MEN'S COLLECTIONで行われるプレゼンテーションの中で、今、一番盛上がっているブランドの一つLOEWE(ロエベ)のリポートをお伝えしましょうね。

 

 

 今回、サン・シュルピス教会に面する素敵なショールームは、私達を地球創世の太古の時代に誘うような、岩山の表面や地表のようなグラフィックで覆われ、自分自身が長い時間の中で地層の奥深くで眠っていた化石のような気分にさせてくれました。

 

 こちらも恒例の、会場に登場する新作を纏った可愛い子ちゃん達のプレゼンテーションでございますが、いつもにも増してアイテムのシルエットやスタイリングによるバランス感覚が見事です。

 

 右はウォッシュド デニムのように見えるルックでございますが、こちらは使用されているのはリネンでございまして、洗いをかけて実にソフトなテクスチャーに仕上げています。

 

 胸ポケットに用いられているレオパードの部分はプリントやジャカードではなく、ブラックの上にブラウンの生地を乗せてレオパードの斑の形にステッチをかけ、後から上の生地をカットし、さらに洗いをかけたユニークなテクニックが使用されています。パンツの後ろポケットもこのレオパードがあしらわれていましたよ。

 

 左もやはり、ウォッシュデニムタッチのコートのコーディネィトで、インナーに着たトップスはバティックのようなオリエンタルなプリントが素敵ですね。。。アクセサリーやバッグまで含め、チャーミングで素晴らしいシルエットのルックでしたね。

 

 

 今回、幻想的な岩肌のインテリアによる抽象的な空間にゲスト達を誘った、クリエイティブ ディレクターのJonathan Anderson(ジョナサン・アンダーソン)は、『自然』をモチーフにコレクションを発表しました。

 

 

 そこに描かれている自然はありきたり物ではないのは当然。。。。男性のワードローブとして馴染みのあるアイテムやシルエットを用いながら、地球の根源的なルーツにまで遡る抽象的な自然の解釈と、その環境の中で人々が抱く感情的な安らぎを感じさせてくれます。

 

 こちらは今季のイメージ ヴィジュアルでございますが、現代アートのオブジェのように佇む、背景の岩石が実にユニークでございましょう????ロケ地となったのはスペイン、マドリードからバレンシア方面に向かった所にある、クエンカ山脈の街、Ciudad Encantada(シウダ・エンカンターダ)です。『魔法にかけられた街』という意味のこの地は自然公園に指定されていて、元々石灰岩の土壌が長い時間をかけて浸食され、巨大なマッシュルームや人間の顔にも見えるモニュメントとなって点在しています。

 

 スペインを代表するロエベは常にコレクションのテーマをスペインの魅力的な都市や文化等に求め、新作の発表と一緒にその素晴らしい文化を世界に発信しています。これまでもアンダルシア馬術学校やグッゲンハイム美術館が建つビルバオ、既に発表されている2017 SS MEN'S COLLECTIONでは、今や世界有数のリゾート地のイビサ島のイメージで表現されています。

 

 

 恐らくこの地の悠久の歴史と自然現象によって形成された、人間の手では生み出す事の出来ない自然の造形は、ジョナサンの感性を多大に刺激した事でしょう。。。

 

 

 

 コレクションは古代の地球をイメージさせるオーガニックなパレットで構成されます。自然のままのファーやレザーを始めとし、エクラのリネンやブルーデニム、ミリタリーグリーンや様々なブラウンのグラデーションは、大地や地層の断面を彷彿とさせます。そのナチュラルなパレットにブラックやホワイト、時折ビビットカラーがアクセントとして効果的に登場します。

 

 シルエットはオーバーサイズやスーパーリラックスしたものが中心で、着る人にコンフォートさと豊かさを提案します。様々なスタイルでパジャマやルームウエアをイメージさせるデザインが登場していて、ルームガウンのようなデザインのシアリングのコートや、先ほど御紹介したブルーのルックのようにパジャマのようなセットアップや、ナイトキャップのようなレオパードのファーのビーニー等、アクセサリーにも反映されています。

 

 

 こちらの画像で可愛い子ちゃん2人組が着用しているのは雄大な太古の大地をイメージさせるようなミリタリーグリーンのルックです。夢を志し、冒険の旅の最中のようなコーディネイトですが、トップスは全てかなり大きめのゲージのキルティングのアイテムで、絶妙なトーンの違いや異素材のアイテムでコーディネイトを楽しんでいます。

 

 パンツは膝に大きくハンドペイント風に描かれた『R』と『W』の文字が実にキャッチーでございましょう????ハイウエストでウエストにタックが入った、ゆったりとしたワイドシルエットです。

 

 注目のバッグは左は『ミリタリー ポケット スモール バッグ』というでアーミーで使われる大切な物を保管するメッセンジャー バッグをイメージしているそうです。ナチュラルカーフを使用し、他にタンやブラックのカラーもありましたね。右はかなり大きなXLサイズのトートでございます。実際に物を収納して持ち運ぶとなると、また別の問題が発生しそうですが、こういう風にスタイリングに合わせて、バッグのサイズ感まで緻密にコントロールしているからこそ、魅力的なルックが完成するんだと思いますねぇ。。。。

 

 二人とも背中に小柄な女子なら入れちゃいそうな、巨大なバッグパックを背負っていて、これがまたスタイリングに楽しさをプラスしています。でも残念ながら商品化は無いようです。。。。涙!!!

 

 

 雄大な大自然やオーガニックなムードのコレクションの中、一際目立っていたのがこちらのロックテイストのアイテムでございます。今回独創的なコレクションを作り上げるため、アトリエの職人達によるハンドペイントが施され、もう、、、、失神級の素晴らしさでした。

 

 こちらはサンライズ(日の出)の場面を描いたもので、先にお話した人一人入るくらいのリュックとはこれの事でございます。ジョナサンによりロエベの益々の躍進をイメージさせるようなエネルギーに溢れたモチーフで、ストラップの部分も柄合わせして丁寧にハンドペイントで描かれていましたね。

 

 数点ですがこの巨大なサイズも日本に入荷してますし、人気のパズル バッグ エキストラ ラージ サイズでも、このサンライズのハンドペイントを楽しめますよ。

 

 

 はい!そしてこちらも今季フィーチャーされていた、マッシュルームのモチーフをハンドペイントしたライダース ジャケットでございます。東京でのプレゼンテーションでは迷わず袖を通させて頂きましたが、これは、ほんと堪らんアイテムです!!!!

 

 ブラックのナパを使用したボディーは、オーセンティックなライダースジャケットのデザインをベースにしながらも、着易くゆったりとしたデザインが特徴で、フロントの部分はクリーンに仕上げています。スリーブのサイドや背中にはいろんな種類のハンドペイントによるマッシュルームや、目のモチーフなどが鏤められ素晴らしかったですねぇぇぇぇ。

 

 後ろ見頃のウエストベルトには、アクティブなレタリングで『過去・現在・未来』という意味の言葉が記されていて、ジョナサン本人からのメッセージのように、勝手に受け取ってしまいました!!!

 

 

 今季のリラックスした世界観を最も体感出来る物の一つが、こちらのガウンのルックでございます。

 

 バスローブのようにウエストでループで結ぶデザインで、フロントはプレーンなデザインですが、バックスタイルにブラックにはホワイト、ボルドーにはオレンジのアクセントカラーでスクエアのモチーフが編み出してあります。

 

 素材は驚く程にソフトで上質なウール。。。。。。。着た瞬間気絶して、寝てしまいそうな程の肌にも心にも優しい素材でした。

 

 シューズはメタリック加工を施したしぼ感のあるカーフレザーを使用していて、ソールが厚底でガッチリしたデザインがチャーミングです。モコモコのファーのビーニーやアーティスティックなペンダントをコーディネイトして、リラックスなスタイルでもエッジィにまとめているのが素晴らしかったですねぇ〜。。。

 

 

 もう。。。。。こんなアーティスティックなピースを見せてくれるなんて。。。ほんとこのPARISでのプレゼンテーションは、まるでギャラリーにいるような驚きと感動を体験をする事が出来ますねぇ。。。。

 

 こちらはミリタリーグリーンのシリコンのチューブを、ロエベの熟練した職人達が一つ一つ手で編み上げた物で、部分的に新しくアップデートされたバッグの『フラメンコ』や、キーホルダーの一部にもなっているロエベの新しいアイコンの一つの『ノット』のディテールが見られますね。

 

 今季のイメージヴィジュアルでは、こちらの下にファーのノースリーブのジレをコーディネイトするという、アグレッシブなスタリングを披露してくれていましたね。

 

 

 こちらのプリントのシャツも今季ロエベがキーアイテムとしてフィーチャーしていまして、ウィリアム・モリスがデザインしたリバティ プリントのような、中世の香りを漂わせる、クラシカルなムードでございましょぉぉぉぉ〜???

 

 実はこのプリント、モチーフになっているのはジュラ紀後期に生息していたと言われるPterodactylus(プテロダクティルス)なんです。。。。。よ〜く、ご覧下さいませ!!!!

 

 プテロダクティルスは恐竜から鳥類へ進化する過程で誕生した恐竜で、鋭い顎や牙の変わりに長いくちばしを持ち、広げると推定2.5mの翼を持つ比較的小さな恐竜です。草花の上に翼を広げたり、木に止まって休んだりしている姿が活き活きと描かれていて、素材はビスコースです。

 

 スタッズをこれでもか!と施したデザートブーツや、ボンボンの付いたニットキャップ等、やはりアクセサリーも見逃せませんねぇ〜。。。

 

 

 こんな風にサラリと並べられているアイテム達でございますが、一つ一つ近くで見ると実にユニークなテクニックが用いられていて、また最高のテクスチャーを誇るロエベらしい、体験した事の無い上質な肌触りの作品が実に素晴らしかったですね。。。

 

 左から御紹介しますが、アビエイタージャケットをイメージさせるシアリングのブルゾンは、フラットな身頃にアクセントを付けるように、二枚仕立てになった襟がさりげなくアーティスティックです。

 

 真ん中はキャメルカラーのスエードのトレンチコートでございまして、シアリングのクリーム色の襟がケープのような華やかなアイテムです。

 

 右はモスグリーンのタートルネックにブルーのカーディガンをレイヤーしたようなドッキングのチュニックで、後ろ見頃とスカートのように広がるヘムの部分にタイガーモチーフのジャカードを使用しています。素材はヴァージンウールを使用していて、個性的なデザインでも実に上質な肌触りでしたねぇ。。。

 

 

 はいはい、まだまだ続きます!!!!こうやってみると着易そうなベーシックルーツのアイテムを、ジョナサンのオリジナリティー溢れるスパイスを加える事で、実に魅力的なアイテムへと昇華させ、着る人のスタイルに合わせて如何様にも楽しめるという提案が実に今っぽいですねぇぇぇ。。。

 

 左はクラシカルな英国的なツイードをウォッシュ加工して仕立てたトレンチコートでございまして、ディテールのデザインをスクエアにしているのでシャープでコンテンポラリーな印象です。前立てや襟にはローエッジのディテールを取り入れ、ここにも今季のベーシックウエアへの新しい解釈が伺えます。

 

 右もまた実にチャーミングなクロシェ編みをベースにしたニットですが、模様のように見えるのは全てボタンなんです。。。。ネイビーやキャメルカラーの貝ボタンを一つ一つ刺繍し、ジャカード織りのように見せているなんて、、、、、ほんと素晴らしかったですねぇ。。。

 

 

 今季のシューズは先に御紹介したスタッズのデザートブーツやハイサンダルなどトレンド感満載でございますが、こちらのスニーカーも会場で一際目立っておりましたよ。

 

 何よりも鮮やかなイエローが実にキャッチーでございまして、この独特のコロンとしたフォルムもチャーミングですねぇ〜。。。。イエローとホワイトのカーフを使用し、部分的にパーフォレーションのレザーを使用したり、アッパーのレースアップに少しアレンジを加えたりとハイブリッドな要素満載ですが、丁寧に作られた温もりのある感じが素敵でしたね。

 

 他にゴールドのスエードだけで仕上げた、大人なバージョンもございましたよ。

 

 

 はい。バッグはどれもこれも秀作ばかりなんですが、こちらは特に大注目のアイテムでございましたね。

 

 人気のパズル バッグなんですが、実に様々な素材を使い独創的なムードに仕上げています。まず、フロントの一目瞭然のアイコンが沢山施された部分は、これまでのロエベのアナグラムをナチュラルカラーのカーフに刻印したものでございます。。。。いやぁ、こんなに色んな種類のアナグラムを使って来たんだなぁ〜とちょっと感動しましたね。

 

 トップの部分はレオパードプリントのヌートリア、サイドにはクリーム色のシアリング、キャメルカラーのスエードも使っていますが、全体的に落ち着いたレトロチックなムードに仕上げていましたね。。。

 

 

 

 

 太古の地球の鼓動に耳を傾けながら、暗雲立ちこめる世界情勢や飽和状態のファッション業界に対して、着る事で安らぎを与えてくれる本質的な衣服の意味合いを実にフレンドリーに表現した今回のロエベ。。。。。

 

 革新的なデザインの印象が強いジョナサン・アンダーソンの世界観とは、一見すると真逆にも感じられるベーシックやオーガニックというテーマを、ここまでスタイリッシュに、魅力的に表現する彼の底知れぬ才能に、益々このブランドが大好きになったプレゼンテーションでございました。

 

 ここ最近の世界中のコレクションを見ていて感じる事なのですが、若いデザイナー達に世代交代して行く多くのブランドで、例えば同じテーマの焼き直しやカラーバリエーションで見せるとか、ショーが終ってみると注目すべきテクニックや要素は1つか二つなんてクリエイションが多々あります。

 

 最近はルック体数も多くを求められるので、なんとか引き延ばしてコレクションに仕上げているのでしょうが、見ていて『また、これ?』という気持と、少ない中身の引き出しから、無理矢理何かを引きずり出してクリションをしている痛い感じが否めません。

 

 私は本当に才能があると感じる数人のクリエイター達は、全体のテーマやトーンは合わせつつも、一つの新しいテクニックが一つのアイテムにしか使われて無かったり、凄いアイディアをサラリと落とし込んでいたりする事が出来る人達で、そういう作品に触れると細胞の隅々まで刺激され感動してしまいます。

 

 毎回このプレンゼンテーションでは、ため息の連続と『このディテールについてもっと知りたい!』という素直な欲求がどんどん沸き出して来て、あっという間に時間が過ぎてしまい、次のアポイントに遅刻してしまう次第です。。。。トホホ

 

 

 

 『見せる』だけではなく『見せつける』事が出来るクリエイターは世界にホント一握り。。。。ジョナサン・アンダーソンによるロエベに、そのほんの僅かな未来のファッションに対する希望の光のような物を、常に感じてしまう私でございます。。。。。。

 

 

 

 

 

 LOEWE 2016 SS COLLECTIONの東京でのリポートはこちらからどうぞ。

 



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