BALMAIN HOMME 2016-17 AW !!! | ダイコ★ブログ

BALMAIN HOMME 2016-17 AW !!!

 
 
 はい。今日はPARIS MEN'S COLLECTIONでは確固とした強い個性を放ち、唯我独尊で我が道を突っ走るBALMAIN HOMME(バルマン オム)のコレクションを御紹介しましょうね。
 
 
 会場は恒例の8区にあるイタリア商工会議所ことHôtel Potockiのゴージャスなサロンでございまして、すっかりこの場所もお馴染みになりましたね。。。
 
 私、今回このようなミリタリーでパリコレを回りましたが、この日はシートに着くなり、知り合いのフランスのプレスが席までやって来て、挨拶もそこそ『今日のコレクションには、お前が今着てるみたいなやつが一杯登場するよ!知ってた???』と一言残して去って行ってしまいました。。。。もちろん、知る訳ないですけど、、、。
 
 今回のパリコレでミリタリーは数多く登場したモチーフでしたが、ここまでゴイゴイのミリタリーはさすがに今季街で見かける事はありませんねぇぇ。。。。この時製作した衣裳は、トレンドが来たら着ればイイやと思ってましたが、、、、残念ながら今回もお蔵入りのようです。。。。トホホ。。。。。
 
 
 なにかと話題のオリヴィエ・ルスタンがクリエイティブ ディレクターを務めるバルマン オムでございますが、今季は前シーズンに引き続き、伝説的な探検家や冒険家達にフォーカスしてコレクションをクリエイトしています。
 
 先シーズン、砂漠の世界でエルドラドを求め、過酷な旅を続けていたアドベンチャー達は、今季その舞台をPARISへと移します。フランス革命という実にドラマティックな時代をモチーフに、新しい時代の扉を開けた政治家や軍人、科学者等の先人達の偉業に敬意を払い、改めてこの今という混沌とした時代におけるヒーロー像を追求しています。
 
 『今季はパリがインスピレーションであり、この City of Light (光の街)に対して改めて敬意を表しています。幾つものバウンダリーを乗り越え、フェアなマインドとユニークな歴史を持ち、世界各地から素晴らしいオファーを受け続けるほど人気の高い都市です。過去の冒険家たちが数多くの発見と共にこの都市に戻り、地元のパリジャンに刺激を与え、想像を超えるスタイルのアートによってミュージアムは埋め尽くされ、長年信じられてきた古い常識をフレッシュで個性的な発想へと変化させていきました。クリエーション、文化、考え方の多様性を重んじる熱心なマインドセットは幾つもの世代を越え、 現在の我々にも受け継がれています。』
 
 プレスリリースの中でルスタンが語るように、ナポレオン・ボナパルトが愛したエンパイヤスタイルをベースに、他国の様々な文化を感じさせるミックスカルチャーのムードをプラスし、まさにファッションでPARISという魅惑的な都市を表現するような、グラマラスなコレクションを完成させました。
 
 
 
 まず圧倒的に印象深かったのは、こちらのファーストルックでもご覧頂けるジャケットに施されているゴールドのディテールでございますねぇ。。。いやぁ=被る、被る!!!!!でも、私が製作した物の何千倍もラグジュアリーでございますから。。。。
 
 ブラックのベルベットのジップブルゾンの上に施されたのは、金糸とビジューによる複雑なミリタリーデコレーションでして、ナポレオン・ボナパルトが活躍した当時のエンパイヤスタイルをベースにしていますが、かのナポレオンでさえここまでゴージャスなジャケットは纏っていなかったと思います。www。
 
 インナーには肌が透ける程の薄手のニットにベルベットのスキニー、襟元にはシルバーのプレートの大振りのネックレスに、キュッ!と巻いた真っ赤のタッセル付きのキルティングのサッシュ。。。。。
 
 いやぁ。。。。これでこそバルマン オム!!!!!このゴリゴリのアティチュード、ほんと大好物でございます!!!!
 
 
 ブラックやネイビー、フォレストグリーンやウルトラマリン等、力強くて男らしいパレットに対して、アクセントカラーとして登場する今季のレッドは実に華やかでございましたね。
 
 こちらのように、ジョッキーをイメージさせるチェッカーフラッグのパターンや、レジメンタルのような大胆なストライプ、スコットランソのタータン等でも登場していましたね。伝統ある英国の乗馬スタイルも今季の特徴の一つでございまして、アクティブで躍動感のあるムードが新鮮でしたね。
 
 この鮮やかなレッドのアイテムの大半に、バルマンのHaute coutureのアトリエが誇る、手仕事による美しいゴールドのエンブレムが施されていて、ミリタリーのムードがより強調されていましたね。
 
 
 オールブラックの1カラーのコーディネイトにおいても、確固としたグラマラスなバルマン オムの男性像は遺憾なく発揮されます。
 
 こちらの坊やが来ているジャケットはまるで日本の武道の道着をイメージさせる、ラップ式のガウンになっていますねぇ。。。上質なウールと供に用いられているファーは、なんとミンク。。。。ミニマムで少しリラックスしたデザインも、ラグジュアリーなマテリアルを使う事でリッチに表現し、思わず、泣く子も黙ってしまいますねぇ。。。。
 
 クロップドパンツにはベルトやアイレットのディテールをあしらい、ジョッキーブーツをイメージさせるロングブーツには、ゴールドのディテールやタッセルまであしらい、何もかもがスペシャルでございましたね。。。
 
 
 やはり、このメゾンにしか出来ない究極の手仕事の作品は毎回誰もが注目しておりまして、ランウェイに登場すると一際会場が盛上がります。
 
 ブラック、ネイビー、レッドのベルベットをモチーフに合わせて切り替え、その上からゴールドの極細の糸とメタルのビジューで、ナポレオンのお抱え画家、Jacques-Louis David(ジャン=ルイ・ダヴィッド)の絵画に見られるような精密なアラベスクモチーフを刺繍で描いています。
 
 いや====!!!!素晴らしいですねぇ!!!!これでこそバルマン オムでございます。毎回こういう手間ひまのかかるアートピースをきちんと製作し、コレクションで発表しているのは他のメゾンにはまずない事ですねぇ。。。
 
 この手の作品はもちろんもの凄い高額になりますので、PARISの本店や一部のブティックでの取り扱いになり、世界で数点しか存在しません。。。もちろん、袖を通すのはカニエ・ウエストのようなスーパースターや、このブランドをこよなく愛する、究極にリッチな人々だけでございます。
 
 間違っても、これを読んで下さっている、4畳半ユニットバスみたいな所にお住まいの貴方!!!!あなたなんかは元々眼中にございませんので、『そんな手間ひまかかった高い服なんて誰が着るの???』なんて図々しい考えは抱かないように!!!!よろしくお願いしますね。。。。www
 
 
 今季トレンドでもあるベルベットはバルマン オムではお馴染みの素材でございまして、その扱いもメゾン特有の表現が確立されていて素晴らしかったですねぇぇ。。。。
 
 タキシードライクなサテンのピークドラペルが施されたコート、ノーカラーのダブルブレストのジャケット、スキニーパンツ、リュックサックやキルティングのサッシュベルトにブーツまで、何とも美しいウルトラマリンのベルベットで仕上げられた美しいルックです。
 
 今季、フランスのアドベンチャー達が海外で得た新しい価値観の一つとして、日本を感じさせるディテールも数多く見られました。こちらの帯のようなサッシュベルトは多くのルックで登場し、レザーのリボンやタッセルを飾り、こちらのようにハウエストやまたローウエストでもあしらわれ、マッチョなプロポーションを完成させていました。
 
 襟にコーディネイトしているメタルパーツのネックアクセサリーも、着物の合わせをイメージさせます。こちらはカシュクールのニットや、ダブルブレストのインナーに、着物の半襟のように覗かせるのが今季のスタイルのようでしたね。。。。
 
 私、プレスルームでトライさせて頂きましたが、首が太すぎて頸動脈は圧迫され、気絶しそうになりました。。。。。はい、まだ自分のガタイのサイズが認識出来ていません。。。。。トホホ。。。。。
 
 
 こちらも素晴らしいテクニックにより仕上げられたスワローテイルのジャケットになります。ベルベットのベースにスタンドカラーは帝政時代を象徴するデザインで、チェッカーフラッグのパターンの上に、袖山や前立て、ヘムを取り囲むようにカラフルなアラベスクのモチーフが施されいます。
 
 全て刺繍。。。。。。しかもクリスタルでキラッキラ!!!!でしたよぉぉぉぉ。。。。
 
 メンズウエアにおいてこういう濃厚な刺繍が施された物って日本ではまずお目にかかれませんね。マーケットの都合上仕方ないのですが、変に女々しくなったり、または水っぽくなったり、、、、ないしはステージ衣装みたいに普通じゃない場合でしか着用出来ない物が中心で実に残念です。
 
 バルマンのこういうリュクスなアイテムの提案は、何処と無くカジュアルなムードが漂う所です。これにシャツ着てボウタイすると、ほんと演歌歌手になっちゃうでしょ?カットソー等をさりげなく合わせて、リラックスしたムードでパーティーなんかに参加しちゃうのが実にオシャレなんですよね。。。。
 
 ついついこんな大騒ぎなアイテムは気張り過ぎてしまいますが、抜け感で着るのがポイント。。。。。ブラックのシャツにノータイでウエディングなんかも素敵だと思いますよ!!!!もちろん、新郎としてですよ!!!勇気のある方は是非トライしてみて下さいませ。
 
 
 今回モチーフの一つともなっております、ナポレオン・ボナパルトでございますが、フランスの歴代の政治家の中でもかなりファッションに拘った皇帝としても有名でございまして、現在フランスがファッションの首都として存在するべく多くのルーツを生み出しています。
 
 例えばエンパイア スタイルと言われるそのスタイルはそれまでのロココスタイルと全く逆の発想で考えられていて、柔らかい色合いで女性的なふんわりしたスタイルから、質実剛健でシャープなデザインが取り入れられ、それまでのファッションの流れを180℃変えてしまいました。
 
 エンパイヤ(帝政)時代は文化史的には新古典主義とも言われ、彼が愛した金のデコレーションや月桂樹を始めとする草花のモチーフ、ホワイトとゴールド等のカラーパレットは古代ローマやギリシアへの憧れを表現しているとも言われています。
 
 例えば今でもファッションアイテムとして人気のナポレオンジャケット等は、スタンドカラーや飾り紐、ダブルのフロントに並んだボタン等、軍人出身のナポレオンやその時代の人々がが好んで着ていたスタイルをルーツとしていますし、大きく広がるラペルと立ち上がった襟でお馴染みのナポレオン カラー(ボナパルト カラー)もやはり当時の装朿からインスパイヤされていますね。
 
 意外な所ですが、現在ジャケットやコートの多くが袖口にボタンがありますよね?このディテールもナポレオンにルーツがあると言われています。かつてナポレオン率いるフランス軍がロシアへ遠征した際、寒さのあまり兵隊達はジャケットの袖口で鼻水を拭き、結果テカテカになってしまっていました。見栄を気にするナポレオンは再三注意しますが改善されなかった為に、袖口にボタンを付ければ鼻水が拭けないだろうと、ここにボタンをあしらったとか。。。。。真偽はともかくとして、ファッションに拘ったナポレオンらしいエピソードでございますねぇ。。。www
 
 こちらはガウン風のジャケットにダッフルコートのコーディネイトでございますが、本来少し野暮ったいムードのダッフルが実にシャープに解釈されていましたね。構築的なラペルからフードへの造形が美しく、フロントのループとトグルの開きの部分にはコード刺繍があしらわれています。
 
 今季ウールには日本製の物も使用されているそうで、ジャパニーズ クオリティーの素晴らしが美しい作品に昇華されて世界に発信されていましたね。
 
 
 レザーのキルティングもバルマン オムでは度々登場するモチーフでございます。普通の布帛と違い一回針を落とすと縫い直しが出来ないレザーに、キルティングを施すのは精巧な技術とリスクを伴うこと。。。。さすがはこのメゾンならではのテクニックと言えますね。。。。
 
 ジャケットからバッグ、サッシュベルトにブーツまでキルティングでございまして、パンツはバルマンの一番人気のアイテムと言っても過言ではない、バイカーのデザインが施されています。部分的にレザーを変えたり、ステッチのディテールが施してありましたねぇぇ。。。
 
 
 ラストルックに登場するのはフランスの伝統的なジャガードのスーツスタイルでございます。
 
 日本じゃこういうアラベスクやペイズリーのモチーフってあまり好まれませんが、今季はレトロテイストがトレンドでございますので、今までトライ出来なかった方々も挑戦するチャンスですよ。。。。私は個人的に大好きで、コートやジャケット、アクセサリーに至るまで、いろんなアイテムでこの家具調なムードを取り揃えております。
 
 ホワイトとブラックの大胆なタートルニットと、トップスのストライプとアクセントを付けるようにプリーツを施したレザーのカマーベルトを合わせ、やはりラグジュアリーなスタイルの中にも絶妙な抜け感をプラスしています。
 
 個人的にはこちらはスーパーモデルのSean Opry(ショーン・オプリー)ですが、このヘアスイタルだと、ナポレオン・ボナパルト本人にも見えて、笑えましたね。。。。もちろん、ダヴィッドが描いた実物よりも相当美化したほうでございます。。。。wwww
 
 
 
 
 
 フランスの歴史を物語る過去の偉人達をフューチャしながらも、素晴らしいと感じた異文化を寛容に取り入れるスタイルは、この国の文化を発展させる大きな要因でもあり、今回のバルマン オムのコレクションにはその気風まで感じられ、実に印象的でしたね。
 
 今の退屈なファッション界において、自身のインスタグラムやそのお騒がせな動向から世界中が注目しているクリエイティブ ディレクターのオリヴェエ・ルスタンですが、彼が就任して以来全くブレないこの強くセクシーなアティチュードは、今や暗中模索のファション界の中で、他のデザイナー達がコンフォートでリーズナブルな方向転換して行く中で、私には実に貴重で特別な存在に思えてなります。。
 
 唯一無二な存在でもあるバルマン オムは、モデルの中でも究極に美しく、しかも強く男らしい選りすぐりのモデル達に、エッジィでラグジュアリーなウエアを纏わせ、究極の美の理想をストレートに定義する潔さに溢れていています。
 
 またこのスペシャルなムードに惹かれ、ミュージシャンやスパープレーヤー等が纏う事で、実際にはこのブランドのアイテムを買えないような若い世代まで人気が広がり、『いつか袖を通してみたい!』という強い情熱を抱かせる素晴らしいブランドなんですよね。
 
 
 今、そんな、若い世代が夢や憧れを持てるファッションブランドなんて、中々ございませんよぉぉぉぉ。。。。。
 
 
 複雑な家庭環境や、25歳という異例の若さでバルマンのクリエイティブ デザイナーに就任した彼ならではの、時代やトレンドに左右されない、確固とした理想像を追求する姿勢が特に強く感じられた今回でしたね。。。。。
 
 
 
 ヒーローのいない混沌としたこの時代において、絶対的でならなければならないクリエイションを続ける事、、、、自ら高いハードルを超え続けるオリヴィエ・ルスタンとバルマンというメゾンの熱い信念に、なんだか心まで熱くなったコレクションでございました!!!!!
 
 
 
 
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