ルネサス、ロームの生産“肩代わり” タイ洪水で操業停止

半導体大手のルネサスエレクトロニクスが
タイの洪水で工場が操業停止したロームの生産支援に乗り出したことが14日、明らかになった
国内大手がライバル企業の生産分を肩代わりするのはきわめて異例、災害時の生産活動のモデルケースとなりそうだ

3月の東日本大震災時に半導体の供給がストップし、自動車などの完成品生産が停滞した反省に基づき
経済産業省がルネサスに生産の支援を要請し実現した

ルネサスが代替生産を始めたのは、ロームがタイの現地工場で生産していた車載用などのシステムLSIの一部
半導体の組み立てなど「後工程」と呼ばれる部分で、これをルネサスが生産余力のある国内工場で受け持つ

後工程は、それぞれの顧客の要望に応えて回路設計などを行う「前工程」と異なり
比較的容易に代替生産が可能で、ルネサス側も快諾した

ロームは、自動車関連の半導体や電子部品などを供給するロジャナ工場(アユタヤ県)と
ナワナコン工場(パトゥムタニ県)が浸水して操業を停止し、今も排水などの復旧作業に追われている

12月中の再開を目指すが「フル生産に戻るのは来年2月」(沢村諭社長)の見通しとなっている

一方、東日本大震災ではルネサスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)が被災した
自動車向けの制御用半導体「マイコン」で全世界の約1割の生産量を誇る同工場が停止したことで
国内の自動車メーカーは直後1カ月だけで50万台もの減産を余儀なくされた

その際には自動車関連メーカーなどから1日最大約2.500人の作業員が応援に駆けつけ、6月の早期復旧にこぎつけた

ルネサスはかねて、タイの洪水に際して「地震の時に助けてもらったお返しをしたい」としており
今回の代替生産は国内メーカーへの“恩返し”の側面もあるという