「ちょうかい」SM3を発射=迎撃には失敗-防衛省
11月20日13時31分配信 時事通信
防衛省は20日、海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」(基準排水量7250トン)が
弾道ミサイルを撃ち落とす海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の発射試験を米ハワイ沖で実施したが
標的の迎撃には失敗したと発表した。試験には総額約60億円の費用が掛かったが
失敗により、日本のミサイル防衛(MD)システムは運用面での課題を露呈した
海自イージス艦のSM3発射は昨年12月に迎撃に成功した「こんごう」に次いで2回目
まぁ実際の話
実験なんだから失敗することもあるでしょう
原因を究明して精度を上げていくコトが本筋
スタンダードミサイルはアメリカ海軍が開発した艦隊防空用の艦対空ミサイル
開発には複数の企業が関わったが、現在の主契約社はレイセオン
スタンダード艦対空ミサイルは大きくSM-1、SM-2、SM-3の3つに分けられる
派生型として、対レーダーミサイルのスタンダードARMが存在する
また、空対空ミサイルのシークバットや、艦対地ミサイルのSM-4なども開発されていたが、これらは開発中止されている
RIM-161 SM-3は、弾道ミサイル迎撃(弾道ミサイル防衛/BMD)専用として再開発されたものであり
イージス艦の垂直発射装置から発射される。スタンダードMCが主契約者となっている
開発に失敗したRIM-156B SM-2ERブロックIVAを反省し、弾頭は直接ミサイルに体当たりするhit-to-kill方式に変えられた
ブロックIシリーズ:アメリカ海軍はRIM-161A SM-3ブロックIをミサイル巡洋艦「レイク・エリー」から試射して
初めて弾道ミサイルの迎撃実験に成功した
現在配備が進められている改良型のRIM-161B SM-3ブロックIAは
短距離弾道ミサイル(SRBM)-準中距離弾道ミサイル(MRBM)迎撃用である
ミサイルの構造は、1段ロケットが直径21インチ(53センチ)、2段および3段目が直径13.5インチ(34センチ)
全長約7メートル、4段目がキネティック(運動エネルギー)弾頭と脱頭式ノーズコーンとなっている
性能は射程400キロ、上昇限度250キロ程度とされている
SM-3ブロックIはイージス艦からの情報を元に3段のロケットを使い大気圏外まで上昇した後に
ノーズコーンを分離させてキネティック弾頭を露出させる
ロケットやノーズコーンから分離したキネティック弾頭は搭載されている長周波赤外線シーカーにより
目標を精密に捕捉し、針路変更・姿勢制御システム(SDACS)用の4個のサイド・スラスターにより
目標への飛行を微調整する
最終的には重量約23キロのキネティック弾頭が約30メガジュールの運動エネルギーを伴って
目標の弾道弾に衝突して破壊・迎撃することになっている
日本の海上自衛隊はミサイル護衛艦「こんごう」よりブロックIAを試射し
米国以外では弾道ミサイルの迎撃実験に初めて成功した
さらにアメリカ海軍は人工衛星迎撃用に改造されたコンピュータープログラムを使って
太平洋上高度247キロを時速36700キロで飛行中のスパイ衛星193号に向けて発射し、人工衛星の迎撃に初めて成功した
現在、アメリカで赤外線シーカーを2波長化し識別能力を向上させ、
出力調整可能針な進路変更・姿勢制御システム(TDACS)により軌道変更範囲を拡大させたブロックIBが開発中である
ブロックIBは技術実証用で実戦配備されることはない
ブロックⅡシリーズ:ブロックIIからは日米共同で開発されている
ブロックIIは、2分割式のノーズコーンに変更し、2段および3段ロケットを直径21インチ(53センチ)に大型化し
射程を延伸させ高速化させて迎撃範囲を広げる
迎撃範囲が大幅に伸びることでイージス艦のレーダ探知範囲(185~370キロ程度)を超えるので
前方に展開する航空機や艦船からのレーダ情報とデータリンクさせて目標を探知し迎撃させる
日本は防衛省技術研究本部(技本)と主契約者の三菱重工により
主に2分割式ノーズコーンと2段および2段ロケットのステアリング&コントロール・システム(SCS)と
3段ロケットの開発をしている。日本製ノーズコーンを使用した機体は2006年3月9日に初飛行した
2006年6月23日にはブロックIIAの日米共同開発に合意した
ブロックIIAではキネティック弾頭と赤外線シーカーを大型化させて破壊力と識別能力を向上させ
ロケットもさらに改良して速度を向上させるなどして高性能化をさせる
キネティック弾頭はアメリカ主導で試作し、赤外線シーカーは日米で別々の方式で試作し選考する
研究開発総費用は21~27億ドル、日本側負担は10~12億ドルである(配備費用は除く)
2011年に地上試験、2013年に飛行試験、2014年に完成
2015年から配備を始めるスケジュールになっている
このブロックIIAが現在配備されているブロックIAを更新する予定である
この配備により中距離弾道ミサイル(IRBM)にも対処可能となる予定である
さらに2008年5月3日付けの読売新聞によると、ブロックIIBの日米共同開発に合意したことが報道された
ブロックIIBは多弾頭型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を迎撃することを目指して
自らも多弾頭化する迎撃ミサイルである
