ブッシュ米政権は3日、地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)330発や
攻撃ヘリAH64D「アパッチ・ロングボー」30機などの兵器総額60億ドル(6420億円)相当を
台湾に輸出すると米議会に通告した事を米国務省当局者が明らかにした
米国が台湾にPAC3を輸出するのは初めて
中国はこれまで、米国による台湾への兵器輸出に強く反対しており
今回の措置に猛反発するのは確実だ
ほかに台湾に供与されるのは
潜水艦発射型対艦ミサイル「ハープーン」32発と
歩兵携行式多目的誘導ミサイル「ジャベリン」182発
台湾空軍が保有する米国製F5、F16戦闘機の部品など
米国防総省が今年発表した中国の軍事力に関する報告書によると
中国軍は台湾をにらむ沿岸地域などで兵力を増強させており
今回の措置は、中台の軍事的均衡の安定化を図る狙いがある
しかし、台湾が米国に供与を求めていたディーゼル潜水艦や
多用途ヘリUH60「ブラックホーク」は今回の輸出計画に含まれておらず
中国にも一定の配慮を示した
大体、PAC3と言う言葉が良く出てくるが・・
大元はパトリオットミサイルである
MIM-104 パトリオット(MIM-104 Patriot、Phased-Array TRacking and Intercept Of Target)は
米レイセオン社がMIM-14 ナイキ・ハーキュリーズの後継としてアメリカ軍向けに開発した
広域防空用の地対空ミサイルシステムである
パトリオット・ミサイルは厳密にはミサイルそのものを指すがミサイル発射システムを含めて
パトリオット・ミサイルと呼ぶ場合がある
形式名称「MIM-104」はミサイルに対するものである
そしてPAC3とは対弾道弾ミサイルとして開発がほぼ終わっていた
ERINT(エリントミサイル:Extended Range Interceptor Missile)を既に発射機として実績があった
パトリオットの発射システムに載せたのがPAC3なのである
だから本質的には全然別モノなんである
PAC3はPAC2までに比べ小型で、今までPAC2までのミサイルでは1発が入っていたキャニスタに
PAC3なら4発が格納出来る様になった、これにより1発射機にPAC3なら最大16発となる
弾体サイズは
PAC3:翼幅51 cm・弾体径25 cm・重量320 kg・上昇限度15,000 m・対弾道弾射程20 km(旧エリント・開発ロッキードマーチン)
PAC2:翼幅84 cm・弾体径41 cm・重量900 kg・上昇限度24,000 m・対航空機射程70 km対弾道弾射程20 km(PAC2GEM+・開発レイセオン)
対航空機においては1/3も小型であることから射程距離は半減
破壊力を高める為、弾頭は近接信管だけではなくヒット・トゥ・キル(Hit-to-kill)
つまりPAC3ミサイルの飛翔体全体を目標弾道ミサイルに直接衝突させ
その運動エネルギーによって目標を粉砕破壊する方式のものに変えられた
翼による姿勢制御だけではなく、ACM(Attitude Control Motors)と呼ばれるサイドスラスタを
前部に装備し機動性を高め、Kaバンドのアクティブ・レーダー・シーカーにより誘導される
弾道弾ミサイルへの直撃をはずした場合の出来るだけの対処として、PAC1で2グラム
PAC2で45グラムであった破砕断片を、225グラムペレット24個に変え撃墜の可能性を高めている
《PAC3弾頭部》
PAC3では航空機や空対地ミサイルの撃墜能力においては従来のPAC2に劣るが
その代わりに高速で飛来する弾道弾を撃墜する複合型防空システムに生まれ変わった
PAC2でも弾道弾迎撃の可能性はあり湾岸戦争ではスカッド・ミサイルの迎撃にも使用されたが
パトリオット・ミサイルは初期の設計段階から弾道弾迎撃は考慮されていなかったため当然限界がある
PAC3はMSE(Missile Segment Enhancement)と呼ばれる向上計画が進行しており
フィンとロケットモーターの変更により最大で50%の性能向上が2008年に予定されている
具体的なPAC3対応のアップグレードはPAC3に対応するために兵器操作コンピュータ(WCC)と
ソフトウェアを交換アップグレードする。通信機器はすべて調整されなおす
このアップグレードによってPAC3オペレーターはLink-16
LバンドのTDMA通信ネットワークシステムである統合戦術情報伝達システム
(Joint Tactical Information Distribution System, JTIDS)に接続して
弾道弾の迎撃に必要な情報が入手できまたネットワークに対して情報を提供できる
また、新しいソフトウェアによって「テーラード弾道弾ミサイル・サーチ機能」を実現でき
弾道弾に対応する必要がある特定の必要な方向・角度にのみ集中して捜索が行なえる
また弾道弾が化学兵器弾頭か子爆弾運搬型弾頭かにより
それぞれの禁止高度を設定して正しい高度で撃墜する機能を備える
レーダーも進行波管を加えることで捜索・探知・追跡の性能が向上した
パトリオット・ミサイルPAC3のソフトウェア向上は続いており、対レーダーミサイル
UAV、クルーズミサイルを識別出来るようになっている
PAC3の改良は現在も進行中で、ロケット・モーターの直径を25.5cmから27.9cmに大径化
安定翼も大型化し、射程を最大50パーセント増大、機動性も改良したPAC3 MSE(Missile Segment Enhancement:ミサイル部分強化)は、米、独、伊共同開発中のMEADS(Medium Extended Air
Defense System:中間拡張防空システム)のミサイルとしても使用される