もらいびと
6時には起きて食事を作る。
7時にご飯を済ます。
そして喫煙しに外へ出る。
そんな流れにも慣れてきた。
先日、小雨の降る中、近くの公園へ。
通学中の小学生を見送りつつ、ベンチでタバコを吸う。
そこにレインコート(反射テープ付き)のフードまで被り、長靴を履いた淑女が通り掛かる。
自分の真横に座り、軽い会釈。
煙たいと思い、タバコを消した。
すると、火を消す自分の右手とクロス気味に淑女の右手が伸びてきた。
条件反射で思わずのけ反りつつ淑女を見た。
「食べる?」
笑顔で差し出された淑女の右手には、皮が剥かれた半分のネーブルがあった。
何故この短時間で皮を剥けたのか。
もしくは、いつも持ち歩いているのか。
幾つかの疑問を抱きつつも、ありがたく受け取った。
田舎の優しさとネーブルの甘さに対して、再度淑女に御礼を言おうと、腰を上げ淑女を見た。
淑女の右側には、散乱したネーブルの皮が大量にあった。
いい人なのか、そうでないのか。
また一つ疑問が増えた。



