素直じゃない牛肉父は、私が機嫌を損ねると牛肉を買ってくる。いつからそうだったか覚えていないが、うちを出る10年前までは、そんなことはなかったように思う。あの頃はただ、理不尽に怒鳴られても何も言わずにやり過ごしていた。今は違う。事実と違うことで咎められたら、口に出す。当然口げんかになり、私はいたくゴキゲンを損ねるのだ。父は、あとから一人になって、思い返すのだろう。そして、事実と違うことで私を咎めたことを気に病み、牛肉を買いに行くというわけだ。昨晩うちに帰ったら、牛肉の料理が鍋に残っていた。お昼ご飯に弁当箱につめた。お昼は牛肉だ。