「戸村飯店青春100連発」
瀬尾まいこ/著
理論社
ISBN978-4-652-07924-9
読了です。
故郷というか、ホームを感じること、それに気がつくこと、
タイトルどおりに、青臭い、10代の自分を思い出して恥ずかしくなるような、
でもちょっと愛おしく思い出すような、短~中篇集。
こてこての関西に育った2人兄弟が、自分に向き合って、それぞれの選択をするまで。
青春です。
私、こういう青春と呼べるものを限りなくかるーくすごしてしまったので、
小説のなかの事とはいえ、いーなぁ、こういう青春って必要不可欠だよなぁと、殊更に思ったりします。
ハイティーンの経験は結局ずっと鮮明に覚えていると思うし、
波長のあう友人や人間関係を作るのって、こういう時代に作ったものが大きいので。
そういうの、気がつくのに時間がかかったりするもんだけど、その過程の要所を「ああ、わかるー」という感じで兄弟を中心に語られていくのね。
ミステリみたいな盛り上がりも、ホラーのようなドキドキ感も、感動を呼ぶ、とかでもないけれど、大事なものってなんだろう、と再確認はできるかも。
ああ、いいなぁ、青春って本人はつらい出来事だったりしても10年たてば戻りたくなるものですよねー
やり直したいっとは思いませんけど。
こっから、ネタばれしてますよ。
軽快な文章が瀬尾氏の持ち味だけど、爆裂してたなー
すっ、とテーマにあった台詞回しを会話で表現するのって、なかなかセンスがいるんだけど、
そういうところで裏切られたことがないです。
いち読者として。
(くどくど書いて、これがテーマですよ、というのはあまり私の好みではない、し、瀬尾氏の今作は背景描写を使って心理描写をするのをできるかぎり省いているような気も。
ヘイスケとアリサの東京見物の描写はとても好き。とてもさりげなく別れを予感させる)