あるベーシストの平穏な日常 -9ページ目

あるベーシストの平穏な日常

ネタに困った男が暗中模索する綱渡り的な日記



言葉にできない


作詞 作曲/小田和正  歌/オフコース


La La La……La La La……

終わる筈のない愛が途絶えた
いのち尽きてゆくように
ちがう きっとちがう
心が叫んでる

ひとりでは生きてゆけなくて
また 誰かを愛している
こころ 哀しくて
言葉にできない


La La La……La La La…… 言葉にできない

せつない嘘をついては
いいわけをのみこんで
果たせぬ あの頃の夢は
もう消えた

誰のせいでもない
自分がちいさすぎるから
それが くやしくて


La La La……La La La……言葉にできない



あなたに会えて





ほんとうによかった






嬉しくて…



嬉しくて…









言葉にできない



ワタクシ、あまり時事ネタを扱うのは好きではないのですが、
4~5日前にスポーツ新聞を読んでいて、どうにも気になる記事を発見してしまった為、
ちょっとだけ採り上げてみる事にしました。


その記事とは…





妖怪人間ベム、実写化決定!!







アラフォー世代に説明は不要でしょう。
幼き子供たちを恐怖のドン底に突き落としたかと思えば、
中高生からは〝これでもか!〟というくらいツッコミどころを探されてしまう、〝恐怖〟と〝珍妙さ〟が同居した、史上稀にみる異色アニメ。

ワタクシ、リアルタイムで観た世代ではないものの、何度となく再放送されていた事もあり、
その度にテレビに噛り付いて観て来ました。

幼少期には怖れを抱き、成長と共に矛盾点に気付き、終いには重箱の隅まで突き出す…
という、言うなれば妖怪人間ベムと共に育ったと言っても過言ではない。
それくらいワタクシ達の世代には浸透しているアニメなのです。

実際、ワタクシの仲間内では、斬新な切り口でツッコミを入れた者は、
周囲から羨望の眼差しを集めるという、妙な風潮もあったくらいなのです。



まあ、ハッキリ言ってどうでもいい事なのですが、妖怪人間ベムが実写化するという話を聞いて、
過去の記憶が鮮明に甦ってきたもので、ちょっとした思い出話をしてみる事にします。


遡る事5~6年ほど前…
近所の焼き鳥屋で飲んでいた際、唐突に…そう、正しく藪から棒に、友人のサモンがワタクシに問うて来たのです。

『ねえ、妖怪人間ベムを実写化するとしたら役者は誰を使う?』

彼が、何故にプロデューサー目線で話を持ち掛けて来たのか真意の程は量り兼ねますが、
ワタクシ、こういう妄想トークは大好物でありまして、2人でキャスティング会議に突入しました。







やはり、まずはベムから決めねばなるまい。
他のキャストとの兼ね合いも考え、主人公のベムを誰が演じるかが基準になってきます。


サモン
『やっぱ俺は高倉健でいきたいねぇ~』

ワタクシ
『ちょ、何ば言いようと!?高倉健よ?健さんがOKするハズないやん!!』

サモン
『いや、分からんよ?ゴルゴ13の実写版にも出とんしゃったやん、健さんは』

ワタクシ
『後悔しとんしゃあって!!仮に健さんがOKしても、事務所とファンが許さんって!!却下、却下!!』

高倉健がベム…見たいような、見たくないような…
いや、駄目だ駄目だ。見てはいけないモノを見てしまった気分になるに決まっている。
これ以上、触れられたくない過去を増やしてはならない。ゴルゴ13だけで充分ではないか。


まあ、制作費や諸々、やはり現実的には無理でしょう。

…とか言いながら、実はワタクシの頭に最初に浮かんだのはジャック・ニコルソンだったりするのですが、
色々と収集が付かなくなりそうな気がしたので黙っている事にしました。






…そんな感じで協議を重ねた結果、満場一致(2人ですが)で、ある大物俳優に白羽の矢を立てました。
ベムの台詞と合わせてご覧下さい。





   
松平 健



アニメ版の声優、小林清志氏(次元大介役の人ね)のイメージを損なわず、
尚且つ、強さと優しさを兼ね備えた雰囲気、適役ではないでしょうか?

時代劇で培った殺陣を駆使し、必ずや暴れん坊将軍を超える代表作になってくれると信じております。






さて、次は…





ベムを助け、ベロを厳しくも暖かく見守るという、さりげなく母性をも感じさせる難役。
ここは是非とも大人の女性をキャスティングしたいところ。


『う~ん…やっぱ吉永小百合やない?』

『ちょ、何ば言いようと!?小百合ストが黙ってないって!!』



…彼にはもう少し、制作費や諸事情を考慮して発言して欲しいモノです。

何かワタクシ、プロデューサー業が板に付いて来たような気がします。




…そんな感じで協議を重ねた結果、極妻の岩下志麻や、スチュワーデス物語の片平なぎさ等、
色々と候補も挙がったのですが、やはり最終的には満場一致(2人ですけど?)で決定しました。






かたせ 梨乃




2時間ドラマの〝名探偵キャサリン〟風ではなく、五社英雄作品の時のような、キレた演技に期待したいと思います。

あ、あとはお色気ですかね。
お色気は欠かせません。

事実、由美かおるの入浴シーンが無くなってからの水戸黄門、見る見る視聴率が落ち込み、
遂には43年の歴史に幕を閉じる事になってしまったのですから、お色気を軽んじる訳にはいきません。

いやぁ~、やっぱ大事ですよ、お色気は。
これでお父さん層の支持をも得られそうです。




さて、この会議をしていた当時、キャスト以外は全く話し合わなかったのですが、
やはり監督も大事なのでは?と、この記事を作成中にふと思い立ったので、ワタクシの独断で決めてみます。

妖怪人間ベムという、独特のダークな世界観を鑑みて、
前述の五社英雄監督や、故・深作欣二監督が有力な気がします。

しかし、それでいいのだろうか…?
安易過ぎやしないだろうか…?

ハリケーンミキサーを喰らってバラバラになったミート君の体のパーツを10日以内に集め、
ハイ、無事に生き返りましたよ~、とか言ってるゆでたまごの発想くらい安易ではないのか!?


時には冒険も必要でしょう。


そこでワタクシ、考えてみたのですが…



岩井俊二監督なんてどうでしょう?


あの淡くやわらかい映像を、妖怪人間ベムのダークな世界観の中で、どのように表現するのか…見モノです。

見モノですというか、全く想像できません。


完全にチグハグとなるのか…とてつもない化学反応を起こすのか…

キン肉マンの素顔と同じくらい見てみたいです。



いやぁ、なかなかイイ感じになってきました。

おぼろげながらですが、カンヌが見えて来た気がします。






さて、最後は…





物語の核といっていい役どころ。
コイツが持ってくる厄介事を、ベムとベラが尻拭いするという、極端に言えば、ただそれだけなのが妖怪人間ベムという物語。



ベロ役…

実はこれが一番難儀しました。

というのも、ワタクシもサモンもあまり芸能界には明るくなく、まして子役となると情報はほぼ皆無。
マコーレー・カルキン君か、エマニエル坊やくらいしか思い浮かばない。


『劇団ひまわりから引っ張って来るかいな…?』

『いや、広く一般から公募してオーディションとかした方が…』


この頃、既に2人共だいぶ飽きてしまっており、正直言ってどうでもよくなってきていた為、
最終的にはテキトーに決めてしまいました。







もう、えなり君でいいや…








もう、カンヌは見えなくなりました…





モノ凄くネタっぽい話ですが、残念ながらほぼ実話です…



5~6年前、こんな会議を1時間以上も続けていたワタクシ達、当時すでに余裕で30歳を超えていました。

更に残念な事に、こんなバカバカしい記事を作成するにあたり、ワタクシは8時間も費やしました…



ああ……






早く(まともな)人間になりたい…









や…野郎……マジでやりやがった!!


あ、いやいや…

奴らは何年も前から宣言していた訳ですから、いくら世情に疎いワタクシとはいえ、ちゃんと知ってはいました。

しかし…
今まで何度となく…いや、常にと言ってもいいくらい、前言宣言もシレ~っと撤回し続けてきた奴らの事…
土壇場になって、『取り敢えず延期しま~す、ウヒッ』とか、『やっぱヤ~メた、デヘッ』とか言い出すのでは…?
と、ワタクシは様子を伺っていた訳なのです。








え…?


何の話をしてるのか……って?


ハハハ…やだなぁ、トボケちゃって。






アナログ放送終了の話に決まってるじゃないですか。







まあ、さすがというか何というか……
タバコの増税とかも含めて、こういう事だけはキッチリやりよるねぇ…



ワタクシは決意しました。

奴らの言いなりになんてなるものか…
貧乏人を苦しめる国家に対し、反逆の狼煙を上げるのです。




テレビなんか買ってやるものか!!



ワタクシは地デジ化を断固拒否します。

そう、これはレジスタンスなのです!!



残念ながら、前回のレジスタンスは僅か40日で頓挫させてしまう結果になり、皆サマ方に無様な姿を晒してしまいました…


しかし、今回ばかりは自信があります。
何故なら、ワタクシは経験者だからです。

以前、このブログでも報告しましたが、2008年10月にテレビが17年の天寿を全うした際、
タダで譲ってくれる人が現れるのを待ち続け、7ヶ月間NOテレビ生活を送った実績があるのです、ワタクシには。

勝算アリ……

俺は決して国家の傀儡などにはならぬ!!

フッフッフ……





…おっと、そろそろ過激な発言はお終いにしましょう…
〝反乱分子〟として、公安当局にマークとかされては困りますしねぇ…
何せ、本当はただテレビを買う金をケチったというだけの、薄っぺら~い話なのですから。






さて、地デジ化に失敗して無デジ化してしまったワタクシですが、まあ、それはそれで良かったような気がしています。
あ、負け惜しみとかではなくて。



元々、あまりテレビは観ないタイプですが、そんなワタクシでさえ、つい…というか、無意識の内にテレビを点けている時があります。

『あ~、面白かった~』で終われば何も問題は無いのですが、特に観たい番組も無いのにリモコンをポチポチし、そのまま何となく画面を眺め続け、
『あ…もうこんな時間か…寝よ…Zzz……』なんて事は幾度となく経験して来ました。


なんという時間の無駄遣いをしているのだ、俺は!!


確かに、娯楽の王様といえばテレビだと思います。
しかし、娯楽など、そこら中に転がっているのです。

テレビが生活の中心なんて、なんか色々と薄過ぎるような気がしませんか?


テレビから距離を置いた生活を送ってみると、本を読んだり、じっくりと音楽を聴いたり、意外とそっちの方が有意義であるという事に気付かされます。
ワタクシには、そっちの方が向いている気がします。結果オーライですが、良かったと思っています。




とはいえ、無デジ化してしまった事による代償は、後々色々と出てくるでしょう。

やはり1番は〝世情に疎くなる〟という事でしょうか?
間違いなく、流行には付いて行けなくなるでしょう。

『ちょwwそんな事も知らんと?超ウケルんですけど。ヤバくね?キャピっ』

と、カワイコちゃんに嘲笑されてしまう事も覚悟しなければなりません。


しかしまあ、これもワタクシにとってみれば、どうでもいい些末な事。

ベルボトムしか持っていないワタクシが、流行云々を語ろうモノなら、逆に笑われます。


ノープロブレム。

そんな事くらいで困る事などない。

巷で流行っているギャグを知らないからといって、何も困ったりはしない。

顔と名前が一致するAKBのメンバーが9人しかいないからといって、何も困ったりはしないのだ、ワタクシは。



無デジ上等!!




最後にもう一度だけ言っておきますが、決して負け惜しみなどではありません。




ただの強がりです。





最近では〔普通自動二輪〕って言うようですね。

ワタクシのようなオッサン世代には〔中免〕と言った方が分かり易いかもしれません。
まあ、要は400ccまでのオートバイが乗れる免許の事ですな。


18歳の頃、その免許を所得したワタクシですが、当時は車を買ってローンに追われる日々という事もあり、
『いつか余裕が出来た時にでもバイク買って…』
…なんて思いながら、全く余裕が出来ずに今に至る事になってたりします。


26歳の頃…
勝幸先生はYAMAHAのTW200というオートバイに乗っていました。

その勝幸先生、『冬は寒いけん乗らん!』とかヌルイ事を言って冬眠させていたので、
『じゃあ、冬の間だけ貸しちゃってんない!』という流れになり、ワタクシはワガモノ顔で4ヶ月ほど乗り回していました。

楽しい日々はあっという間に過ぎ去り、暖かくなって来た3月上旬、TWとお別れの日がやって来ました…


仕方ないよね…だって俺のじゃないんだもの…

ま、いっか。どうせまたすぐに逢えるのだから。
根性の無い奴の事、どうせ11月になれば『寒い、寒い!』とか言い始め、無事にワタクシの許へと帰って来るのだから。
それまで、ほんの少しのお別れなのだから…


と、思っていたのですが……

実はその頃、某・木村さんが美容師役で出演したラヴいTVドラマの中でTWに乗っていて、その影響でTW人気が過熱。
当然、価格は急騰。新車は1年待ちは当たり前、中古相場が新車価格を上回るほどのカオスっぷり。

そんな中、あろうことか勝幸先生…

金に目が眩んで売り飛ばしやがったのです!!


ワタクシに何の相談も無しに…

銭ゲバの悪モノのせいで、恋する2人は永遠の別れを迎えてしまったのです…




それから1度もオートバイに乗る事も無く11年…
何故か、年明け辺りから無性にオートバイが欲しくなりました。

とは言え、相変わらず〔余裕〕という言葉には縁の無いワタクシ。
ヤレ10万だ、ホレ20万だ、と大金を右から左へ動かせるほどの甲斐性は持ち合わせていない。
バイク店で購入するという選択肢などハナっから無く、ヤフオクを漂流する日々が始まりました。


…と、ここまでの話の流れから行くと、思い出のTWと劇的な再会を果たし…
みたいな展開になりそうな勢いですが、残念ながらそうはなりません。

実はワタクシ、TWってあんまり好きじゃないんですよね、昔から
身近にあったから乗った。ただそれだけでして…
思い入れなんて全く無いんですよねぇ…

あ、勝幸先生には内緒ですよ。




ま、そんな感じでヤフオクを漂流し始めて早々、自分の考えが如何にスイーツだったのかを知りました。
オークションとはいえ、実働車両にはとてもじゃないが手が出せない。

実働車は諦め、早々に不動車…いわゆるジャンク品狙いにシフトチェンジ。


それから色々な車種を見て回ったワタクシですが、妙~に惹かれるオートバイに出会いました。




HONDA シルクロード (CT250S)


XL系の4サイクル単気筒4バルブエンジン搭載、〔スーパー・ロー〕という超低速ギアを装備し、
CB250RSの兄弟車として'81年に鳴り物入り(?)でデビューするも、
あまりにも売れず、僅か2年余りで生産中止になったという、いわゆる不人気車…との事。

更に、走行距離が2万キロを超えた頃にはシリンダーヘッド周辺からオイルが漏れ出し、
更に更に、スターターモーターが空回りし始める…
という、スリリングなオプション(欠陥とも言う)まで付いて来るのだそうな。


うむむむむ…

またか…いつもそうだ…

ワタクシが好むモノは、何故か高確率で世間一般からズレてしまう…
当初は、ホンダのGB250クラブマンとかカワサキのエストレアとか、タマ数の豊富なベタな車種を狙っていたハズが、
気付けば30年も前に絶版したマイナー車種、世に言うアングラ路線に行き着いてしまう…

しかし、駄目だと分かってはいても、見れば見るほど惹かれてしまう…

同類相憐れむ、という事なのでしょうか…?

〔不人気〕なんて、まるでワタクシを見ているかのよう…
〔空回り〕なんて、もはや他人のような気がしません…


腹を括ったワタクシ、購入車種をシルクロード1本に絞り、ヤフオクを徘徊してみると、ナカナカ良さげな物件を発見。

長期放置で現在は不動、所々に錆やら傷やらあるものの、放置直前までは元気に走っていたそうで、
運が良ければキャブレターの清掃程度で復活するかも…というシロモノ。

現状渡しで3諭吉。充分に予算の範囲内ではあります。

しかし問題が…

出品者が千葉在住という事で、送料が3万…合わせて6万円…
ノグチに換算すると60人…ヒグチにしたって12人ですよ、12人!!


泣く泣く落札を見送る事にしたワタクシですが、やはり気にはなるモノで、ウォッチリストに登録し、行く末を見届ける事にしました。

しかし、入札者は現れる事無く、翌週、また翌週…と繰り越され続け、気付けば1ヶ月以上が経過…


これはもう、俺が買うしかないのでは…?
俺の入札を待っているのでは…?

ワタクシにとって6万円は大金です。
だが、どうだろう?
6万円握り締めてパチンコ屋に戦いを挑んだ、と仮定してみたら…


いやいや、待て待て…
貧乏人のワタクシは1勝負に6万も注ぎ込んだ経験は無いなぁ…

よし、ここはひとつ、身近な友人の体験談を盛り込んでみよう、うん。

ワタクシの友人K君は正月に9万ブチ込んでNO当たりを喰らい、
開店から夕方まで、僅か6~7時間で燃え尽き、真っ白な灰になったそうな…

そう考えてみると、6万など4時間も持たずに消え失せる程度ではないか?

勢いでこのオートバイを買ってみたとしよう。
確かに、直せるかどうかは未知数ではある…
でも、何だカンだとイジり倒し、余裕で3ヶ月も4ヶ月も遊べるのでは…?

4時間VS4ヶ月…
ギャンブルを嗜む人間特有の、よく分からない論理ではあるが、もはや比べるまでも無いのではないか!?


よし、決めた。
落札しちゃおう。
ポチッといっちゃおう。

しかし、ビビリなワタクシの事…
終了時間直前になって怖気付く事も充分に予想できる…

そうだ、飲んで挑もう。
酒の力を借りよう。
酔った勢いでポチッといっちゃおう。



…そんな事を考えながら仕事をしていた、とある2月下旬の土曜日…

ワタクシの携帯にメールが届きました。
単勝で万馬券を叩き出せるほど人気薄なワタクシ、着信はもとよりメールすら滅多にありません。

「チッ、また〔Amazonお買い得情報〕かよ…」

と、悪態を吐きながら受信フォルダを開くと…


アレ?珍しいな…K君やん。

普段、全くと言っていいほどメールなどしない男、かつ……もとい、K君。
ワタクシが送ったメールに電話で返答してくる男、かつ……もとい、K君。
メールを打つ指先がジイさん並みにヨボヨボな男、かつ……もとい、9万ブチ込んだK君。



何事だろう?と思い、メールを開いてみると、タイトルに『いるや?』とだけ書いてあり、本文は無し…

「はぁ?」と思い、よく見てみると、何やら画像が添付されている御様子。
メールに疎い勝幸先生(あ、言っちゃった)、送ってくる写メがまたオモい、オモい。
平気で500KB以上の画像を送って来るので、いちいちダウンロードしなければなりません。


「チッ」


歳を取るとイライラしていけません。


数秒後、画像を見たワタクシは思わず声を上げてしまいました。






   


シ…シルクロード!!


欠品パーツ多数、サビサビのボロボロで、オマケに妙チクリンなタンクを搭載、サイレンサーはどうやら建築足場用の単管パイプっぽいぞ…
しかし、独創的なエキパイの形状は見紛うべくもない、これは間違い無くシルクロード!

大興奮のワタクシ。江川もビックリの鼻血ブー状態。




『シルクロードが欲しい』という話は、何の気無しに勝幸先生にしていました。

勝幸先生は保険関係の仕事をしているのですが、提携(?)している修理工場のヤードに数年前から放置されている車両の事を思い出し、
フラっと見に行ってみたら、それが偶々シルクロードだった、と。



なんと…!

こんなマイナーなオートバイが、目と鼻の先に…
しかも、悩みに悩んだ挙句、ドブ川に6万円捨てるくらいの覚悟で落札を決めた当日に…

こんな偶然ってあるのだろうか?

いや、これはもう偶然ではない。必然だ。いや、運命なのだ。赤い糸で繋がっているのだ。

ワタクシと運命の赤い糸で結ばれている相手はカワイコちゃんではなく、鉄のカタマリであったという現実には眩暈すら覚えずにはいられないが、
今日だけは気付かないフリを決め込む事にしよう。


上の空で無難に夕刻まで仕事をこなし、ダッシュで帰宅。
いざ、勝幸先生の待つ、件の修理工場へ。
徒歩5分、走れば2分。その日のワタクシはスキップだったので4分ほどで到着。

勝幸先生と二言三言の挨拶を交わし、遂に運命の出会いを果たしたワタクシと鉄クズ……もとい、シルクロード。


勝幸先生に口先だけの御礼の言葉を述べ、20分掛けて押して帰りました。



帰宅後、マジマジと眺めてみました。

ボロい。ハッキリ言ってボロい。写真を見て予想していた以上にボロい。
が、そんな事はどうでもよろしい。
何せタダなのだから。
たとえボロとだとしても、書類アリの250ccのオートバイを0円で入手できるチャンスなど滅多に無いのではなかろうか?



やはり、持つべきものは友ですな。
キン肉マンとテリーマンも真っ青の友情パワーではないか。

美しい…


しかし、ただひとつだけ、別れ際の勝幸先生の言葉が引っ掛かります。



『お前、これから俺に絶対服従じぇ。』



タダより高いモノは無い…


非常に厄介なオプションが付いてきました…













あわわわわ…

パ…パパ…パパパ……
パソコンが壊れました…

14日深夜、酒を飲みながらYouTubeを観ていたところ、突然、何の前触れもなく〔シャットダウンしています〕の表示が現れ、
モニターに漆黒の闇が訪れました…

『えぇ!?』

と思い、再度起動を試みるも、パスワード認証画面に切り替わった瞬間、またも〔シャットダウンしています〕の表示…
何度チャレンジしてみるも、ログインできず…
そのまま、崩れ落ちるように眠りに就きました。


一夜明け…
パソコンデスクに座るワタクシ。

いつも通り、普通に電源を入れたら、何事も無かったように起動したりしないだろうか?
いや、まてよ…
そもそも、昨日の俺は酔っていた。ベロベロだったはずだ…
もしかして、あれは夢だったのではないか?
そうだそうだ、そうに違いない!!

電源を入れるワタクシ…


〔シャットダウンしています〕

ワタクシの淡い期待はメガンテを喰らったかの如く砕け散りました…



気を取り直し、カスタマーセンターに電話を掛け、担当のオネーサンに状況を説明するワタクシ。
オネーサンの指示通り、アレやコレやと試みるも、症状は変わらず…


『何らかのソフトウェアが原因かと思われますが…何か心当たり等ございますか?』
と、オネーサン。


「いや…特に心当たりとかは無いですけど…」
と、ワタクシ。


『ああ、そう…ですか…』




…アレレ?今、何か間があったよね?

もしかして疑ってる?ねえねえ、僕の事疑ってる?


『なあ、ヤスコウチ…
 どうせエロサイトでもハシゴして、厄介なウイルスでも拾って来たんだろう?
 ネタは上がってんだ!
 正直にゲロしたらどうだ!!』

…オネーサンの心の声が聞こえた気がしました。
いや、聞こえました。確かに聞こえました。


しかし、ワタクシの名誉の為、言っておかなければなりません。
『エロサイトでウイルスに感染した男』というレッテルを貼られたままで生きて行くには、あまりに厳し過ぎるこの俗社会。
声を大にして言う代わりに文字フォントを大にして言います。

ワタクシ、断じてそのようなお色気ムンムンなサイトには足を踏み入れておりません!!

本当です。嘘ではありません。
ワタクシ、生まれてこの方、嘘などついた事の無い、ブッちぎりの正直者なのです。

つい先日も、かの暴虐の王に意見して処刑が確定してしまい、用事を済ます為に親友セリヌンティウスを身代わりに差し出して村に帰った際も、
約束通り処刑台に向かう為に走り続け、遂には王様を改心させてしまったくらいですから。


その後もオネーサンの指示通りに色々と試してみたのですが、症状は改善されず…

『ソフトウェアのトラブルならば、コンピュータを初期化すれば、ほぼ改善されるのですが…
 データのバックアップはされていますか?』
と、オネーサン。


PCスキルがサル並みのワタクシは、当然バックアップなどしておりませんが、サル並みなだけに、消えて困るようなデータなど多くは無い。

言われるがまま、初期化して再起動を試みるも、状況変わらず…


「あぁ…駄目です。シャットダウンします」
と、ワタクシ。


『え!?…ああ、そう…ですか…』
 

…アレレレ?また何か間があったよね?

心底、意外そうな口振りだったよね?
確信してたよね?ねえねえ、ウィルスって確信してたよね?


『ハード側のトラブル…の可能性があります、ねぇ…』


ほら見ろ!!

俺は…





謝ってよ!!『疑ってゴメンなさい』って謝りなさいよ!!







そんな訳でして、修理の為に引き取られて行きました。(BGMはドナドナ)




2日後、修理担当センターから着信。

『原因が分かりました。キーボードです。』

「は?」

『キーボードの不具合でして、コンピュータ本体に問題はありませんでした。
 新品に交換して、本日発送致しました。今回は誠に申し訳ありませんでした。』



ああ、そう…
な~んだ、キーボードかぁ…なるほどね。そっかそっか、キーボードねぇ…ふ~ん…

って…




初期化した俺の立場は…?