vol.72(2021.11.16)

 

信じる信じないは

別として

東洋医学では

というものを

大切にしています

「気」そのものに

働きを持たせて

その働きによって

生命は維持されていると

考えられています

そしてその「気」は

一所に停滞しているのではなく

絶えず動き回っていて

すべての組織や器官に

行き渡っています

この気の動きのことを

気機と呼びます

そして「気機」は

五臓の働きと

密接な関係があります

今回はその関係に

迫ってみたいと思います

 

 

Impossible is Nothing!

(不可能なんてありえない)

 

東洋医学に根づく

治未病という

考え方

 

簡単に言えば

病気になる前に治す

ということである

 

現代風に言うなら

予防医学になる

 

どんな病気にも

原因があり

それをいち早く見つけ

退治してしまう!

 

東洋医学を通して

不可能だと思えることにも

果敢にチャレンジする

そんな考えを1つでも

お伝えできれば

嬉しいです爆笑チョキ

 

新版 東洋医学概論より

気機とは

気の運動のことであり、昇•降•出•入という4つの方向がある

人体の気機は、各臓腑の機能によって発揮されている

4方向の運動といいますが

基本は昇•降(上と下)と出•入(外と内)の

2つの対立する方向の運動で

互いに抑制したり協調したりして

調節しています

そしてこれらの気機は

各臓腑の生理作用•特性に

大きく関係しています

 

系統の気機

肝の疏泄作用には

生理物質を全身に

行き渡らせる•届ける

といった働きがあります

その中でも特に

昇発という特性によって

気機の上昇という

役割を担っています

合わせて疏泄は

へ向かわせるという

方向性も担っており

分泌排泄などは

肝の気機が

重要な役割をしています

胆汁の分泌などは

この良い例と言えます

 

肝の機能失調は

気機の過剰な上昇を

引き起こします

そうすると人体の上部の

肩から頭にかけて

頭痛肩こり眩暈耳鳴り

などの症状が出てきます

このように

過剰に気機が上昇する状態を

気逆と言ったりします

また疏泄が過剰に亢進すると

多汗胃酸過多胆汁の分泌異常

などの分泌や排泄の異常が出てきます

疏泄が過剰に亢進した状態を

疏泄の太過と言います

 

 

系統の気機

心気は陽気の中心にあるため

気機は上昇する方向性を

持っています

それに対して

表裏関係にある小腸は

消化物を下降させる

働きを担っており

下降する気機の

方向性を担っています

 

心の機能失調の中でも

心の陽気が亢進して

心火を発生すると

火の炎上という特性から

人体の上部に影響が出てきて

のぼせ顔面紅潮不眠舌瘡

などの症状が出てきます

小腸に熱邪や寒邪による

刺激が加わると

下降する気機へ影響が及び

消化物を大腸へ送れなくなります

 

 

系統の気機

脾の運化には消化•吸収機能に加えて

輸送機能もあります

その輸送という働きの中でも

昇清という特性により

気機は上昇する

方向性を持っています

また脾の統血作用

血を脈中に留める役割があり

これは気の固摂作用の働きで

この場合気機は

へ向かう方向性を担っています

それに対して表裏関係である胃には

降濁という特性があり

消化物を小腸•大腸へと

下降させる働きを担っており

気機も下降する特徴を持っています

 

脾の機能失調は

上昇する気機に影響します

消化•吸収された

水穀の精微を

上昇させることが

出来なくなり

人体の上部での

気血の化生が出来なくなり

上部の滋養に影響が

出来なくなります

このような状態を

清陽不昇といいます

眩暈頭痛不眠などの

頭部の症状が出てきます

胃の降濁の失調は

気機の下降が

できないことによるためで

食滞腹脹便秘胃痛

などが起こります

さらに気機が下降できずに

反対に上逆してしまうと

悪心嘔吐などの

上がってくる症状が出てきます



系統の気機

肺には宣発•粛降の作用があります

宣発は気機の上へ外への動きに

関係があります

衛気体表への動きや

津液を体表へ運ぶのに

関与しています

粛降下へ内への動きに

関係があります

外界から取り入れた清気と

水穀の精微と合わせた

宗気を下へと運んだり

脾の昇清によって

上昇してきた津液を

下降させる働きを担っています

また大腸の糟粕の伝化という

消化物を下へ送る機能は

気機の下降によって

行われます


宣発の失調は

気機の上へ外への動きを低下させ

咳嗽が出たり

衛気が体表へ届かず

身体の防御作用が低下したり

津液なども体表に送れないことから

発汗の異常として現れます

粛降の失調は

下への気機を低下させ

喘息症状

水分代謝に関係して

浮腫などの症状として現れます

大腸は下への気機の異常により

便秘などの排便の異常が出てきます



系統の気機

腎は臓腑の中でも

下の方に位置するため

上への気機を特徴とした

働きがあります

腎で化生された原気

この気機によって上昇し

各臓腑に届けられます

また腎まで降りてきた津液

上への気機によって

再び肺の宣発によって

全身へ散布されます

また腎には封蔵という特性があり

生理物質をに収める働きで

内への気機によって行われています

さらに納気作用

への気機を使って

しっかりと息を吸い込む

サポートをしています

表裏関係にある膀胱は

尿の排泄に関与していて

外への気機によって行われています


腎の機能失調は

上昇する気機に影響し

原気を各臓腑へ送れなくなり

倦怠感精神的な疲労が

出てきます

また津液を

上昇することができなくなったり

封蔵の失調により

膀胱に尿を溜めることが

出来なくなったりして

浮腫多尿遺尿といった

症状が出てきます


以上が五臓と気機の

主要な関係になります

次回は

気機の相互関係を

みていきたいと思います



最後まで読んで頂き

ありがとうございました🙇

皆様に少しでも

気づきのある

一日でありますようにウインク