とある犬の話飼い犬だって、首輪を外して外を自由に駆け回ってみたくなる。野良で生きてきた犬や猫たちの話は、想像もつかないような話ばかり。その度に世界の広さを感じる。飼い犬たちの中で、野良で聞いた話をすると怒られる。これは腑に落ちない。飼い犬は飼い犬としての生き方を強いられる。産まれながらにつけていた首輪は、自分で解き放つためのものだったんじゃないのかと考える。首輪の上手な外し方を調べること、野良での暮らしに必要なものを集めること、大切な飼い犬仲間に残す手紙を書くこと、今必要なのはそれだけ。犬は、名もない野良犬になることを決める。