ふんわりしてた。

あたたかかった。

透明感や遊び心はそのままに、

あの払いきれない哀しさはなく。

 

積み重ねてきたもの。

今あるものが、ただこうして、今あるという幸せを感謝して。

それらを大切にしたうえで、新しい出会いにも感謝して。

 

悲しみや苦しみを知った後にある、

時がそれを癒してくれたからこそ感じられる、

一つの節目のような安堵感。

 

悲しみは、自分にとっての罪で、

死にたくなるような逃げ場のない苦しみで。

終わりはなくても、だんだん薄れて、

長い時間の中で別の形に消化されていくものでもあって。

 

でもまだ私は、新しいものに動く心が見つからない。

新しいアルバムの優しいメロディーに包まれながらも、

寄り添っていてくれたものに置いてかれるさみしさみたいな、

きっと今が、秋が深まっていく季節だから。

 

 

思い出すと、綺麗な気持ちになれるから、あたたかくありたいと。

ありがとうって思うから。

まだ痛くても、歩くときは、優しいほうに向かおう。