すれ違いざま物凄く目が合って、おまけに物凄くうなずかれてしまった。

とても気になったのだけれど心当たりがないので、そのままエスカレーターに乗る。

でも、やっぱり気になって振り向くと私に向けておおきく手を振っている。

上の階に着いて立ち止まりその人を見ると、両手を頭上で大きくかざして何度も交差して見せた。



今すぐエスカレーターを駆け下りたい衝動に駆られたけれど、ハイヒールでそんなことできるわけないし、私を抱きかかえて2段とびで下まで連れて行ってくれそうな人もいなかったので、下りのエスカレータに乗ることに。



どうするつもりなのか自分に聞いてみる。

「わからないけど。。。でも、こうしないわけにはいかないのよ!」

「で、なんて言うつもりなの?」

「そりゃあ。。。あの、どちら様でしたでしょうか? しかないでしょ!」




さっきまで手を振っていたその場所に着いたときには、その人は消えていた。

必死であたりを探したのだけれど、もう見当たらない。