イメージ 1

昨日、王様のブランチのDVDコーナーで "In her shoes" の紹介をやっていました。
昨年の暮れに上映されて気にはなっていたのですが、まだ見ていませんでした。
http://www.foxjapan.com/movies/inhershoes/

そして、その紹介のあるシーンを見たとたんに、ツタヤにGo!

それは、スタイルは抜群でも難読症を患っている事から自分に自信のもてないマギー
(キャメロン・ディアス)が元教授で目の悪い老人に乞われてエリザベス・ビショップ
詩を朗読するシーン。。。


Professor: You sound too pretty, Maggie, to be cleaning bedpans.
  おまるを交換するには美人すぎる声だ
Maggie: You’re right, I am.
  そのとおり
Professor: I have a grandson, a doctor over in Tampa. I should introduce you.
医者をやってる孫がいる君に紹介しよう
Maggie: You don’t wanna do that.
それはマズいわ
Professor: Are you bad news?
きみは悪い女?
Maggie: You know, I don’t mean to be, but yeah.
そんなつもりはないのに 結果的にね。
Professor: Well…Since you’re not gonna marry my grandson, you might as well read to me.
私の孫と結婚してくれないのなら、本を読んでくれ。
Maggie: I’m kind of a slow reader.
読むのが遅いの
Professor: Perfect. I’m a slow listener.
構わん 私は聞くのが遅い

ここで、元教授の老人が ”E.ビショップ 詩集“ を差し出します。
しおりのページには "One Art" 失うことの術

彼女は内容を理解できないわけではないのに、難読症のために思うように読めません。
難読症については、私もあまりよく知らなかったのでネットで調べたものを、最後に
載せることにします。
つっかえながらも読みはじめて、教授の誘導で何とか読み終えます。
そして、読み方は満足出来るものではなくても、彼女は詩の意味することは理解でき、
教授の質問にキチンと答えることが出来たのです。

そのときの教授のことばが。。。
A-plus Smart gairl.

私は、まるで自分が褒められたようにうれしかったのです。

その詩の全文をご紹介します。
"One Art"

The art of losing isn't hard to master;
so many things seem filled with the intent 
to be lost that their loss is no disaster.

Lose something every day.
Accept the fluster of lost door keys, the hour badly spent.
The art of losing isn't hard to master.

Then practice losing farther, losing faster:
places, and names, and where it was you meant to travel.
None of these will bring disaster.

I lost my mother's watch.
And look! my last, or next-to-last, of three loved houses went.
The art of losing isn't hard to master.

I lost two cities, lovely ones. And, vaster, some realms I owned, two rivers, a continent.
I miss them, but it wasn't a disaster.

---Even losing you (the joking voice, a gesture I love)
I shan't have lied.
It's evident the art of losing's not too hard to master though it may look like (Write it!) 
like disaster.



「 ひとつの術」

毎日何かを失くすること。ドアの鍵を失くした狼狽や、 
ものを失くする術を覚えるのは、難しくない。 
もともと失くされようという魂胆が見え見えで、 
失くしたところで大事に至らないものも、ごまんとある。 

むだ遣いした一時間を、受け入れること。 
ものを失くする術を覚えるのは、難しくない。 

それからもっとひどく、もっと速く失くする稽古をしよう。 
場所や、名前や、どこか旅行に行くつもりだったところなど。 
どれも大事に至ることはない。 

私は母の時計を失くした。そして、ほら、好きだった三つの家の最後の一つ、 
それとも最後から二つ目のも消え去った。 
ものを失くする術を覚えるのは、難しくない。 

私は二つの都市、綺麗なのをなくした。そしてもっと 
大がかりに、持っていたいくつかの王国、河二つ、大陸一つを。 
どれも恋しいが、大事に至りはしなかった。 

-あなたを失くした時でさえ(冗談を言う声や、大好きなしぐさなど)、
その事情に変わりはないだろう。 
どう見ても、ものを失くする術を覚えるのは、そんなに難しくない- 
たとえどれ程の(はっきり書こう!)大事に見えようとも。 

(亀井俊介・川本皓嗣編『アメリカ名詩選』岩波文庫)



難読症とは英語では "Dyslexia" と呼ばれます。
日本では欧米に比べてまだまだ認知度や、それに対する教育的対応が低い様ですが、
アメリカではなんと7人に1人はなんらかの難読症の影響を受けていると言われています。
難読症にはいろいろな程度や症状があるんだそうですが、一般に読書、文字のつづり、記憶の再生、
聞き取り、文字や数の順序付けといった領域に不自由を感じるという状態のことです。

学業に影響を及ぼすので、知能に問題があると見られがちですが、IQなどにはまったく関係が
ありません。実際高い知能を持った人たちにも難読症は多いのです。
また、自分が難読症であることを知らずにいる人も多いとか。

有名人にも難読症であることを告白している人も多く、俳優のトム・クルーズ、
ヴァージン・グループの創始者リチャード・ブランソン、歴史上の人物でも初代大統領の
ジョージ・ワシントン、レオナルド・ダ・ヴィンチなどがいます。