ふと思った。
電車の座席。
人はみんな間を空けて座る。

みんな、一緒が大好きで。
みんな、誰かと一緒にいたがる。
みんな、誰かと同じでいたがる。

それなのに電車の座席には人と人との間に空間があく。

きれいに一人分を飛び越してみんな座る。

あまりにも綺麗に座るから、その隙間はなんだか埋めてはいけないようで。

ドアの端っこに立つ人までいる。

みんな、手と手を取り合っていきましょう。
それが美徳。

だけどその隙間には手と手を繋げるだけの心の距離はない。

みんな一人を欲してる。
みんな、一人になりたがる。

みんな、一人分の座席を空けて、懸命に自我を主張しているようだ。
みんな、一人分の座席を空けて、懸命に共存を拒んでいるようだ。

あれだけ、みんな、みんな一緒が好きなのに。

嘘つき。
ね。