押忍

もうすぐ空手を始めて22年。
こんなにも長く一つのことを継続したのは初めて。

多少寄り道したかも知れないが、やはり極真の黒帯を取ること、長く続けることが目標。
その中で小さな目標として、この人に勝ちたいとか、この人と対等にわたり会える様になりたいと言う気持ちになることはいつもあった。

それに空手を通して知り合った方々。一緒に稽古を積んできて人もいれば、直向きに稽古をする姿を見て、尊敬の念を抱く方もいる。今現在でも、「この人」とベンチマークしている方は4人ほどいる。

その中の一人に、稽古をする姿、稽古後の自主トレや会話の中にものすごい空手愛を感じる方がいる。
その方は始めて4年くらいだったと思う。自分も初めの5年くらいは、楽しくて楽しくて仕方なかった。午前中の稽古に出て、夜の稽古にも出ていた頃を思い出す、そんな存在だ。

彼は昨日行われた年に一度の師範セミナーにも一緒に参加した。
師範セミナーの内容は、基本、移動、補強、組手と言う内容だった。人数も多かったので組手も20くらいやった。
終わった後、彼が側にやってきて「いやーめっちゃ楽しかった!」と満面の笑みで話しかけて来た。
確かに楽しかったし、充実した時間だった。
しかし明らかに彼は自分より楽しかったんだろうと言う表情だった。そんな彼を見ているとこちらも楽しくなるし、ワクワクするし、自分も頑張ろうと思う。

彼はもう70歳を越えている。

そんな彼が眼をキラキラさせて「めっちゃ楽しい」とか、組手中に空いてるところをポコポコ蹴ったら「ムカつくなー」と笑顔で向かってきたり、ある時は小学生に基本の動きを教えてもらって必死に鏡の前で練習している姿を見ていると純粋に空手を楽しんでいた頃を思い出し、刺激を受ける。

きっと自分以外にも彼からそう言う影響を受けている人はいると思う。彼はそう言う存在だ。

押忍