残虐だけどニヤっとするところ満載
源五兵衛(不破数右衛門重種)が、腕に「五大力」と彫りもののある芸者小萬と三五郎夫婦に騙され、猟奇に人殺しを犯すのだけど、
勘当された三五郎の主人が実は源五兵衛(不破数右衛門重種)であった
そして御用金と高師直邸の絵図面を持って、源五兵衛は義士に加わるというおはなし
武士の忠義ハラスメントのために数多の人が殺されたり、喜んで犠牲になったりという美談らしい
忠義はおいといて、源五兵衛は家財百両とられてるのに、布団に寝転がって「小萬が居ようものならー」とか言っちゃって憎めない人であるから、人殺しに変わるところは余計にコワイ
略
源五 して、最前の酒は飲んだか。
小萬 ツイ・・・・・イエ、たべましたのは、わたしの兄さん
源五 その兄は如何いたした。
小萬 爰に臥つて
ト慄うて、こなし。
源五 ナニ、臥つて居る。爰に
ト蒲団を捲り、よく/\見て
息は絶えたな。して、二人は飲まぬか。
小萬 アイ。
源五 ハテ、喰はいで残念な。屏風の中は、いよ/\小皃(小児)か。
小萬 アイ/\。
源五 どのやうな忰ぢや。見て参らう。
ト屏風の中へ入る。小萬、身繕ひして、帯を引上げる思ひ入れ。
この時、屏風の中にて、バツタリ物音する。小萬、恟りする。
程なく源五兵衛、赤皃を抱き、出て来り、赤皃の小袖にて片手を拭くこと、思ひ入れあつて
誠に胤は争はれぬ。三五郎に好う似て居るわえ。此のやうな子のある身を以て、コレ小萬
ト小萬の手を取り、ヂツとなつて
この源五兵衛と、二世かけしとの五大力。あれも大方
小萬 アイ。あの彫り物は。
源五 矢張り腕に
ト無理に腕を引出し、キツと見て
ヤヽヽヽ、三五大切。すりや五大力に書き添へて、一生抜けぬ女の腕、人目いとはず、彫り物の、刃物を以て三五大切。斯くまで身共を偽はつたか。
トきつとなる。小萬思ひ入れあつて
小萬 三五郎さんに身を任せ、死ね死なうとの約束に、なんの命は塵あくた。主へ進ぜた芸者の気前。わたした一生疵物に、これ程までに
ト此せりふのうち、源五兵衛、小萬の顔をヂツと見詰て居る事。小萬、気味悪き思ひ入れにて
あのマアかみさんは、よう寝て居さんすの。
ト源五兵衛が手を振り切り、ツカ/\と屏風を明ける。中におくろ、咽喉を一刀に突かれし体にて、
糊紅になり、壁に死骸立てかけてある。恟りして
ヤ、こりゃ何者か
ト此方へ来る。源五兵衛、門口をシヤンとさして思ひ入れ。凄き合ひ方。
源五 命を捨てゝ八右衛門、我れへの意見、実に不便とは思へども、煩悩の晴れても晴れぬ武士の意地、女わらべに騙されて、斯様々々と世の人口、生涯武士が悪名抜けぬワ。憎き奴は三五郎、彼奴め諸とも殺した上、どうで命は捨て物ぢや。ヤイ、小萬、われが命は身が貰ふぞ。よくもこれまで侍ひを、女の口の舌三寸、たわけ阿房に
ト小萬を引き付け
ひろいだな。
トきつとこなし。
小萬 御尤もでござります。これには段々様子のある事。わたしが連れ添ふ三五郎どの、あの人こそ
源五 三五郎が行方を吐かせ
小萬 イエ/\、行くへは毛頭存じませぬ。もう斯うなつたら偽はり云うたは皆誤まり。わたしを切つて三五郎どのを、どうぞ助けて
源五 助けてやらう。女わらべの、おのれを助けて
ト突き放す。
小萬 エ、アノ、わたしを助けて
ト立ちあがるを、すかさず抜いて切り下げる。小萬苦しみ、しがみついて、いろ/\にこなし。
そんなら、どうでも
源五 息あるうちに、三五郎めが行くへを云え、
小萬 知らぬ/\。よし知つたとて、なんのこなたに
トあたりの物を取って源五兵衛に打ちつけるを、切り払ふ。小萬のたうつて
コレ、三五郎さん、わたしや今死ぬわいなア。どうぞちよつと顔を見せて
トあちこちするを、源五兵衛なぶり切りにする。小萬所々へ取りつく。手の跡、壁へ血にて附く。
源五兵衛、小萬を引き寄せ
源五 三五郎めが在処を吐かせ。しぶとい女め。身を偽はりし三五大切、その入れ黒子はこの腕か。
ト腕を貫く。小萬苦しみ
小萬 男ゆえなら死ぬるは覚悟。せめて二人がその水子、そればつかりは、どうぞ助けて
源五 可愛いか、不便なか。不便に思はば、おのれが手にかけ
ト小萬が手に刀を持ち添へて
斯様に致せ。
ト抱子を貫く。抱子落入る。
小萬 エヽ、こなたはなう。なんにも知らぬその子まで。如何に憎しと思へばとて、現在水子をその如く、こなたは鬼ぢや、鬼ぢやぞいやい。
源五 如何にも鬼ぢや。身共を鬼には、おのれら二人が致したぞよ。人外めが。
ト切り下げ/\する。小萬落入る。源五兵衛、首を打ち落とし、小萬が帯の端を切つて、
それに首を包む。この時、雨車、雨の音烈しく聞こえるゆえ、思ひ入れあつて、あたりの傘を取つて、
有りあう下駄を穿き、門口へ出て思ひ入れあり
実に定めなき、浮世ぢやなア。
ト時の鐘、凄き合ひ方、一つ鉦、蟲の音。これより謡をうたひながら、花道へかヽり、傘をさし、
向うのあゆみを通り、この仕組みよろしく、此のうち舞台、静かにぶん廻す。
略
了心 御尤もでござりまする。幼いうちに勘当うけ、あなたのお顔を存ぜぬ忰め、不破数右衛門さまとあるならば、聞き覚えある御家名ながら、源五兵衛という仮名。存ぜぬゆえに斯様の間違ひ。旦那様、お宥しなされて下さりませ。
源五 皆間違ひといひながら、早まらずんばこの小萬、斯く浅ましき
ト切り首を抱きかヽへ、思ひ入れあつて
堪えてくれよ、誤まつた。其方ばかりか水子まで、其方が見る前のあの体裁。殊に連れ添ふ三五郎、身共へ忠義を却つて恨み、今更思へば恥かしい。如何なる過去の悪縁にて、実義の夫婦、幼な子まで、あの有様は何事ぞ。これ皆武士のあるまじき、女に迷ひしたわけゆえ。その云ひ訳には、腹切るぞ。
ト死なうとする。了心縋つて
了心 イヤ/\、あなたは殺さぬ/\。旦那に代つて、この道心が
ト源五兵衛が差添へを取つて死なんとする。源五兵衛押へて
源五 イヽヤ、身共が腹切つて
了心 イヤ、私しが
ト両方争ひ合うて、互ひに留める思ひ入れ。この時、桶の中にて
三五 お待ち遊ばせ旦那様、親仁様、云ひ訳あり、必らずともに
ト苦痛の思ひ入れ。
源五 ヤヽ、これなる桶にて何者か
了心 小舅殺せし忰を隠して
源五 して、その忰は
三五 即ち爰に
トばら/\と、桶の箍刎ねて、桶倒れる。中より三五郎、用意の出刃にて腹切りし体にて、よろめき出る。
了心駈けよつて
了心 ヤヽ、忰といふは、身を騙かりし三五郎。
三五 親仁がお主の旦那様、知らぬ事とてあの体裁。申し訳には
ト出刃を引廻して思ひ入れ。源五兵衛もこなしあつて
源五 こりや斯うなうては叶ふまい。
ここで、
ええー。そもそもあなたの御家のために色んな人が犠牲になったんでしょー。
というところらしい
以下略
勝手にリンクはりますが、
こりやかうなうては叶うまい
http://www5b.biglobe.ne.jp/~kabusk/sakuhin47.htm
あの熱愛カップルがどうすれば納得したかって?(幾人に聞かれたので)
まずお相手が真剣に?付き合ってますって、ひとりで言ってるわけで。
夜遅くインタビューで海老蔵さんは、「え。ただの友達です」とか言えばよかったのに。
「えー」「ひどーい」「やっぱりー」と笑ったかな
ま、騙しといて後で盛大に結婚と相成りにけり。でいいんじゃない?
このくらいご愛嬌でしょう
ところで、新橋演舞場昼の部 をみました
いま鶴屋南北の戯曲本を読んでいます(こんな時だけすぐ行動する)
11月の演舞場は昼夜ともに満足度高い
予定のない方は見に行ったらいいですよ
日本の歪んだ美学、惨殺で暗い。でも笑える舞台で、ワタシはとてもイケるくちです。
弥生の花浅草祭の踊りは素晴らしい
三社祭の善悪玉や石橋もの(獅子)が頭でなくて本当に感動しました
残り数日だけど是非おいでませ
良いお休みを
じゃーねー
深川大和町の場
二幕目 二軒茶屋の場
五人切の場
大 詰 四谷鬼横町の場
愛染院門前の場
笹野屋三五郎 菊之助
六七八右衛門 愛之助
廻し男幸八 亀 寿
内びん虎蔵 松 也
芸者菊野 梅 枝
賤ヶ谷伴右衛門実はごろつき勘九郎 亀 蔵
同心了心 竹三郎
富森助右衛門 家 橘
芸者小万 亀治郎
二、四変化弥生の花浅草祭(やよいのはなあさくさまつり)
武内宿禰/悪玉/国侍/獅子の精 松 緑
神功皇后/善玉/通人/獅子の精 愛之助
海老蔵さんのインタビューもみました。ご本人も嬉しいようで、
どうぞ末永くお幸せに。
心よりおめでとうございます。
としか言えませんわー
これから芸が鈍くなったり小さくなったら観にいかないもんね
観客を甘くみちゃいけません
個人的に歌舞伎座とかで立ってほしいのはやっぱり大女優さんかな、アスリートもいいな
宝塚女優か財閥令嬢かと思ってましたが、むこうがいやか(笑)これは海老さんがわるいね
Congratulations!
diamondさんあたまお大事にねとか言われるし。中身?それともハゲ?
オトナな国立劇場 へ行きました
団十郎さん復帰されてから、とてもいいオッサンになりましたね
表情が好き。愛嬌があって憎めないオヤジで貫禄もあります
大津絵道成寺は、藤十郎さんもたいへんだったのではなかろうか。忙しい
シンプルなほうが仕草や個性やら汲取れるので見応えがあるんだが。わたしが未熟なのね
でも、舞台は綺麗でいろんな衣装が拝見できて楽しかったです
そういえば先日NHKFM を聞いていたら鈴木しづ子さんのラジオドラマをやっていて、
俳句、彼女と恋人の会話、風景が流れてきました
生誕90周年なんだ、晩年は穏やかに過ごしてほしいけど消息が知りたい
以前聞いた中国の物語で、帝の横恋慕のため恋人同士が引き裂かれてしまい、
女は宮中の踊り子になり、男は葬り去られるところを瀕死で助かり失明してしまう琴奏者、数年後、
音だけなので、場所や雰囲気、想像が生々しく膨らんで聞き終わったあと放心状態になって心ここにあらず
ラジオは異空間に没頭できてスキだわー
・・・御身お大事にの間違えですよね。きっと
じゃーねー
野口達二=改訂
歌舞伎十八番の内
「外郎売」(ういろううり) 大薩摩連中
鳥居清光=美術
近松門左衛門=作
「傾城反魂香」(けいせいはんごんこう) 一幕
国立劇場美術係=美術
土佐将監閑居の場
河竹黙阿弥=作
二世藤間勘祖=構成
「大津絵道成寺」(おおつえどうじょうじ) 常磐津連中・長唄囃子連中
-坂田藤十郎五変化-
藤間勘祖=振付
高根宏浩=美術
坂 田 藤 十 郎
坂 東 彦 三 郎
中 村 翫 雀
坂 東 彌 十 郎
片 岡 市 蔵
坂 東 亀 三 郎
坂 東 新 悟
中 村 亀 鶴
大 谷 桂 三
市 川 右 之 助
中 村 扇 雀
中 村 芝 雀
市 川 團 十 郎 ほか








