父親の闘病記録 4。家族が海外在住の場合 | 海外転々転校記 * インターナショナルスクール8校転校した大学生長男とグレーゾーン凹凸次男の海外転校記録

海外転々転校記 * インターナショナルスクール8校転校した大学生長男とグレーゾーン凹凸次男の海外転校記録

マレーシアからロシアのモスクワ→上海→のち6年ぶりのクアラルンプール再上陸後アジアの片隅x2へ。8校目のインターでIBDP取得&卒業後に大学に通う長男と、グレーゾーン凹凸高校生の深海魚成長記録。子供の習い事バイオリンや英国王立音楽検定ABRSM受験記録も。

海外に出て17年以上経っていますが。

ありがたい事に
私の両親はどちらも
この5年ほど前までは
大きな病気を全くせずに
元気でいてくれたので、
 
介護の心配もあまり無く
今まで来れたので
元気でいてくれた両親に
感謝しなくてはなりません。
 
 
***
 

放射線治療を終了し、

一旦自宅に退院できた父親でしたが、

 
鼠径ヘルニアのため
直後に入ったショートステイ先で
嘔吐し、
 
元いた病院に
再度入院させてもらいます。
 
 
 
ただ、
すでに放射線治療で相当体力が
低下してしまった後だったので
 
鼠径ヘルニア(脱腸的なもの)の
手術をするための体力も
残っておらず、
 
応急措置はしてもらったものの
根本的な治療はせずに
体力の回復を待つ事になるのですが。
 
 
放射線治療が終了した時点で
私は一旦自宅のあるアジアの隅っこの国に
戻ってしまったので、
 
ここから3週間の間は
父親の状態を自ら見ていた訳では無いので
 
心配性の母親からの
よく分からない*メールに
一喜一憂する日々が続きます。
 
 
 
離れて暮らしていると
現状の見極めが難しい。
 
それに
おそらく私は
どちらかと言うと
感情論よりも事実や数値を重視して
客観的に物事を見るほうのようなので、
 
「お父さんは
もう長くないかもしれません」と
だけメールで送って来られても、
 
どこがどう悪くて、
どれぐらい「長くない」のか、
あと何日ぐらい持ちそう/持たなそうで、
そしてその根拠となる事柄が
何なのか、
そして、
私に対して母は何をどうして欲しいのか、
母親の意図する所が
さっぱり分からないメールばかり
届くので、
 
母親のメールに対して
必要以上に先回りしなければ
ならず、
 
それをいう事で
逆に母親を不機嫌にさせる、そしてまた
余計に事実よりも感情だけのメールが返ってくる、という
負のループが形成されてしまいました。
 
 
 
 
前出の、私にとっては「よく分からない」部分を
母親に指摘しても、
 
根本的に思考回路が真逆な者同士の
会話となるために、
 
肝心の真実が
なかなか見えづらい。
 
おそらく母親は「共感」してもらいたいだけのメールに対し、
私の方は「解決策」を考えなければならないのでは?と思い
いろいろと(母にとっては「余計な」と感じる)質問をしていたのだと
思います。
 
お互いに
今まで介護や入院等の心配もなく
のほほんと暮らして来たツケが
回って来たのでしょう。
 
 
普段から
母親も私も、
「離れた者同士でも
現状が理解しやすい会話術」、
 
例えば「悪い」であれば
傷口/治療痕/新しい箇所/どこ
どのように(食事が一食も取れない/痛み止めを1日何回等)悪いのか、
 
医師の見立てではどの段階と
見られて居るのかを早い段階から
確認しておくなど、
 
具体的な状態を把握し、
それを
他人に説明できる力の訓練と、

お互いに
お願いできる事柄の範疇を
確認しておくべきでした。
 
 
両者がお互いに
ポイントを外さない会話が
出来ていたら、
要らぬすれ違い等も
避けられたのではないかと思う。
 
 
 
 また、
生命保険や家の財政面についても
母親一人に任せすぎていたので、
 
いざ父親が入院、
いざ保険申請などといった
実務になると、
 
これまた
よく分かっていないもの同士が
よく分からないままに
事を進めようとするので、
ストレスが倍増します。
 
 
 
 
全てを把握しているのは
母親一人のみ。
 
 
その一人が病院に詰めてしまって
さらに過労/心労で
記憶まで途絶えがちになってしまい、
 
自分の銀行口座の暗証番号でさえ
思い出せなくなってしまった。
 
しかも
自分(母親本人名義)の口座の
キャッシュカードの行方も不明。
 
お金も引き出せなくなってしまったので
慌てて海外にいる娘(私)が
飛んで帰ってくるも、
 
生命保険証書の置き場所や
印鑑の場所さえも分からないので、
 
めぼしい戸棚全てを
家探し状態で
ひっくり返さなければならない。
 
 
 
 かろうじて
父親の口座のキャッシュカードと
暗証番号は正しかったため、
 
その口座から出金するものの、
 
1日当たり50万までの限度額が
設定されているので、
 
急遽、個室しか空いていない元いた病院に戻ったために
個室代がかさみ、
入院費用と当座の生活費を引き出すのに
数日に分けて別の場所から
数回引き出しているうちに、
 
今度は銀行側が
「不審な引き出しが続く事」
を理由に
父親の口座自体を凍結してしまい。
 
口座の再開には
1。本人自身が銀行窓口まで赴く
もしくは
2。本人自身が
銀行に登録してある自宅電話から
再開依頼の電話をかけなければならず。
 
 
そのどちらもが出来ない状態にまで
父親本人の健康状態が悪化していたため
 
 
今まで
何の対策も取っていなかった
自分にも、
 
先回りしていろいろ尋ねるとキレるのに
自力ではなんの準備もしておらず
いままで何も伝えてくれていなかった
母親にも、
軽く
要らぬ苛立ちを覚えました。。。
 
PS。ちなみに
銀行手続きや保険手続き、入院手続き等はほとんどを日本在住の兄がしてくれたので
実家近くに兄弟がいるありがたみをかみしめています。
 
 
 
 
 
親の介護等、やんごとなき理由で
滞在が長引かざるを得ない場合、
 
もし、日本国籍を放棄してしまった方や
日本国籍をもともと持たない子供達も帯同だったとしたら、
ビザが切れる前に再度ビザの申請に行ったりしなければならないし、
 
もっと言うならば
 
国際結婚をしたカップルのどちらかが
自分の国ではない相手の国で
配偶者が亡くなってしまったら、
 
その時点で永住権を持っていない場合、
永住権(PR)取得のための手続きさえも
できなくなってしまう国も
多いと思う。
(ちなみにマレーシアでは
永住権申請には
夫婦二人揃っての
インタビューが必須です。)
 
 
今回のことで
国際結婚というものが
飛行機での移動距離や時間だけでなく、
行政の手続きや役所での届け出などでも
「遠い距離」であることを
実感するに至りました。
 
 
 
 
つづく