ソルト(@saltygelicita)です。

 

第170回芥川賞受賞した小説『東京都同情塔』。

 

 

 

作者の九段理江さんが受賞のインタビューで、

 

「文書生成AIを駆使して書いた小説でして、全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがある」とコメント。

 

それで興味を持って、実際『東京都同情塔』を読んでみたら、めちゃくちゃ面白かった。

 

この舞台になるのが、すでにAIが広がっている近未来の東京。

 

そして東京オリンピックの時にボツになった、ザハハディドが作った、新国立競技場が存在して、2020年に東京オリンピックを開催したパラレルワールドでの話。

 

その隣に主人公の女性建築家が、シンパシータワートーキョーという【刑務所】を建てる。

 

価値観もいますでに進行しつつある漂白化社会がさらに進んだ、2030年までの世界を写していて、ディストピア的な未来予測の側面も入っている内容でした。

 

久しぶりに数時間で一気に読んだ、めちゃくちゃ面白い小説。

 

小説を読むとわかるのですが、九段理江さんはただ小説を書くのに、生成AIにアシストしてもらって書いたわけではないのがよくわかります。

 

生成AIによって、言葉というものがどう変わり、それが結果としてどういう世界観を生み出すかを舞台になるからこそ、あえてやりとりの言葉などをAIとの対話で作っているのかなと。

 

なのでテクニカルにAIを使って、芥川賞をとる時代だというのは表面的理解だったなと、読んでみてよかったです。

 

ぜひ『東京都同情塔』 を読んでみてください。

 

 

 

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