なぜ、マングローブダイヤモンドバックテラピン(DBT)は希少なのか?それは、トゥルー(true)マングローブと呼ばれる真のマングローブDBTが、フロリダ半島から海を隔てたフロリダキーズ諸島南部(北部の個体群は真ではない)の汽水域にしか棲息しておらず、野生個体数が他亜種に比べて極めて少ないからである。そのうえ、生息域がフロリダ州の野生動物の保護地域内にあり、事実上、商業取引のための捕獲が不可能だからである。
さて、とんぶり市の亀選をやらなければいけない時期ですが、マングローブDBTの話が中途半端なところで終わっているので、こちらから片付けていきましょう![]()
前回、爬虫類ショップHerptile Loversの「ヌマガメ科過去売り切れリスト」にJames Lee秘蔵のマングローブDBTペアの画像が掲載されていると言うお話をしましたが、見て頂けたでしょうか。
今回の話もマングローブDBTの成体については、Herptile Loversさんの画像を参照してもらって、幼体時の様子については、今季、汽水屋で誕生した個体を示して話を進めていきます。
それでは、マングローブDBTの特徴を、著書「Diamondback Terrapins」、「クリーパーNo.47、48」及び汽水屋の飼育・繁殖経験に基づいて解説していきます。
本亜種の背甲は、幼体、成体を問わず、DBT7亜種の内で最も細長い楕円形をしており、甲高は低く、左右の側面のラインは、ほぼ平行となります。
2025年汽水屋CB
孵化した幼体には、背甲の初生甲板に黒丸やシングルサークル(同心円模様にはならない)、或いはC字型の模様が入ります。
背甲甲板にシングルサークルが入るDBT亜種は、マングローブDBTしかいないので、カロリナコンセントリック或いはノーザンコンセントリックとして流通されている個体の中に、同心円模様ではなく、シングルサークル模様の入った個体がいたら、マングローブDBTとの交雑を疑って良いと思います。
また、本亜種は、テキサスDBTやオルナータDBTなどの南部系亜種と同様、椎甲板のキール(こぶ)が大きく発達しています。
著書「Diamondback Terrapins」P21掲載
本亜種の甲羅は、オルナータDBTと同様、各甲板の境界に黒い成長線が出現する形で成長していくので、甲輪は深く明瞭に刻まれていきます。
このように、オルナータDBTと類似した甲羅の成長様式をとるので、幼体時はクリーム色或いはベージュ色の背甲をしていますが、成長と伴に、背甲は黒色(石炭色)、または黒褐色に変わっていきます。
著書「Diamondback Terrapins」P43掲載
頭部、四肢の皮膚の色は、ダークグレー(濃い灰色)または青味がかった灰色、或いは深い青色(Herptile LoversのJames Lee氏の個体参照)をしています。
また、頭部、四肢の模様は、まばらで大柄な黒色のスポットやそれらが繋がって出来た不規則な曲線状模様が共存します。
汽水屋の飼育経験から、マングローブDBTの目の色は極めて特徴的で、瞳孔および虹彩(俗にいう黒目の部分)が黒いのは当然ですが、強膜(俗にいう白目の部分)も黒っぽい個体が多く、顔の表情として目が大きく見えます。
2025年汽水屋CB
マングローブDBTは体全体が黒っぽいので、人種に例えると黒人ですね。
本亜種はDBT7亜種の内、最も南のしかも海に浮かぶ島々に棲息しているので、強烈な紫外線に耐えられるよう、体が進化していったと推察されます。
この環境要因が、甲羅、皮膚、目のメラニン色素の生合成を促進し、体全体を黒色化したのではないか、と考えています(汽水屋見解)。
実際、飼育していてカロリナやノーザンDBTなど他亜種に比して、UVライトが発する紫外線に抵抗性があり、いつかは野外飼育をしたい、と思っています。
マニアックな話ですが、マングローブDBTの腹甲模様は、基本、オルナータDBTより大きめのドット模様です。
2025年汽水屋CB
この腹甲模様が、個体差によりどの程度変化してくるのかは、まだ手持ちのデータが少なく不明です。
ちなみに、カロリナ或いはノーザンコンセントリックにマングローブDBTの血が入ると(すなわち、カロリナ或いはノーザンとマングローブのハイブリッド)、コンセントリックの腹甲模様が黒い四角模様から、マングローブDBTよりの個体になるに従って(マングローブの遺伝子が多くなると)、太く黒い直線模様(一本線)に変化してきます。
ご参考まで。
つづく





