『孤独のグルメ』 シーズン7 第6話 今回は定食屋さんで食べる銀鱈の煮付けの話。
浦安市にあるペットホテルが今日のクライアント様
『店長、今からランチに行ってきます。』
サクッとお仕事を終わらせたけど、 『腹が減った。』
この附近で店を探すか、駅まで戻るか・・・
ん? アレはスナックかな。
お食事処って書いてある! 魚屋かぁ。 いいね。
店の名前、なんて読むか分からないけど入ってみよう。
お店のテーブル席に座った五郎さん 早速メニューを読み始める
ふふ、お刺みを付けてって言い方が色っぽいじゃないか。
焼き魚の気分だったけど、煮魚もいいなぁ。
あっ、煮魚だと鯖味噌煮と銀だらの煮付の二択かぁ!
煮魚のタレと一緒に食べる白メシ・・・。 美味いんだよなぁ。
ああ、想像したら煮魚にグッと気持ちが傾いてきた!
鯖味噌煮も大好きなんだけど、銀だらも久しぶりに食べたい。
『すみませ~ん。』
『銀だらの煮付お刺み付けてと沖縄産生もずくを下さい。』
『お待たせしました。 はい、鯖味噌煮~。』
『美味しい~。』
素直に鯖味噌にしとけば良かったかなぁ~。 鯖味噌大人気・・・ちょっと焦る。
『お待たせしました。 銀だらで~す。』
『いただきます。』 何これ? 真っ黒!
色も黒いがデカい。 黒い山だ。 味は・・・
うわぁ、美味しい! あ、骨があった。
確かに銀だらだ! しかし、俺の知ってる銀だらとは全然違う。 フワフワ。
美味すぎる! こんなの初めて。
中は真っ白。 巨大な岩山を採掘してるみたいだ。
敢えて銀だらを選んだ自分を褒めたい。
己を信じて勝負に出てこそ、未知の幸せに出会えるんだ。
美味しい煮付と白メシの幸福感は他の食べ物では得られないモノだ。
魚が美味い店は100%、味噌汁も美味い。
短冊のイカ刺し、好きなんだよなぁ。
マグロもいい。 だけど・・・。
銀だら1300円。 刺身を付けて1450円って。 これが150円でいいの?
これはなんだろう。 マグロか。 大好きなんだ。 マグロを煮たの。
憎い事するなぁ。 小鉢がこれとは恐れ入った。
この定食、とんでもないなぁ。
うんうん、いいなぁ。
沖縄のもずく、太いんだよな。
ん!酸っぱくない。 それにシャキシャキしてる。 これだと断然オカズになるぞ。
よし、銀だら堀りを再開するぞ。
銀だら、銀シャリ。 銀だら、銀シャリ。 銀のラリーが止まらない。
箸が止まらない。 アイキャンストップラビングユー。
銀だらに首っ丈。
『ご飯お替わり下さい。』
この定食をご飯一杯でやり繰りするのは絶対ムリ。
『大将、銀だら2つね。』 『はいよ。』 『ねえ、まだ築地に行ってるの?』
『10月からだった?豊洲に移転するの。』 『良いんだか悪いんだかねぇ。』
分かってる人は銀だら行くんだな。
この緑、よく見るけどなんて名前だ? あ、名無しの権兵衛さん、いい箸休めだね。
それにしてもこのタレ。 抜群だなぁ!
熱々ご飯にイカ刺しのハピネス。
そして、マグロ。 小鉢マグロ。 マグロの連打だ。
どれも美味い。 どういう順番でも美味い。
沖縄もずくも、アシストを超えた戦力だった。
『はい、どーも。お待ちどう様でした。』 『おー、きたきたー。』
雨上がりの浦安で食べる、最高の定食。
なんて贅沢な時間だろう。
はぁ~っ。 最後も銀だらと銀シャリだ。
最後まで美味いが衰えない。 リピート確実なこの店。
この店に来るためだけに浦安に来る価値はある。 この店でしか味わえない味。
大将が毎日、河岸に足を運び長い歳月をかけて出来上がったこの煮付。
この銀だらは、大将が掘り当て磨き上げた黒い宝石だ。
『すみません。お金払いますんでご飯3杯目を頂けますか。茶碗に半分でいいんで。』
このタレを残す手はないだろう!
よーし、こうしちゃえ。 でもって、混ぜちゃえ。
ご飯が美味しさの黒いマントを羽織っていく。
ほうら! きちゃったよ~。 文句なしの美味さだ。 銀だら残り汁絡め飯。
たっぷりの旨味とコクとちょっぴり苦味が混ざったこの味は、
完璧な美味さの黄金比だ!
魚屋で皿にご飯乗っけて煮付のタレを混ぜてスプーンでワッシワッシ食べる黒ご飯。
これは、常識を超えた先に現れた幸福だ!
うーん、めっちゃくちゃ美味い。
『ごちそうさまでした。』 ああ、腹いっぱい。
『食後にコーヒーが付きますけど。』 『じゃあ、ホットで。』
食後にコーヒーまで付くとは。 いいじゃないか。 羅・・・えぇ? 何とか。
『大将~、ここの店名読める人いないでしょう?』 『あ、うん。まあねぇ。』
『だいたい、ラシュンって読むんじゃないですか?』
『そうね。ラデンですかって聞いてくるお客さんも多いね。』
『中が田圃の田だから。』 『絶対に読めないだろう。』
え~っ、正解は何ぃ? 滝山にも教えたい。 漢字の読み方調べなきゃ。