午前10時40分。 母がソワソワし始めます。

 

脚が痛むといいながら、立ち上がったり座ったりを繰り返すのです。

 

そのうちに、「デイのカバンを取って来てぇや。」と言い出しました。

 

退屈で何かしないと収まりがつかなくなっているのです。

 

「今からドライブで天保山の周囲をぐるっと周って見てけぇへんか?」と外へ出る

 

提案をしてみたら、見事に二つ返事で速攻、玄関までスタスタ行くのです。

 

「ちょっと待ちぃな。外は風が強くて寒いんやで。ジャンパー着てからにしぃ。」

 

母は外が寒いかどうかすら予想がつかないらしいのです。

 

 

午前11時前。 この時刻だと車の往来はほとんどありません。

 

地元の風景を色々とカメラに収めてやろうと思ってゆっくりと車を走らせます。

 

港区池島界隈にある古い堤防のある集落です。 平成5年頃までは漁師さんも居た

 

ところです。今は堤防内も工事が入っていて、5年後には埋め立てられる予定に。

 

5年後には左手に見えてる堤防も取り壊されて無くなっているかも知れません。

 

 

堤防に登るコンクリート階段の下が、漁師さんが使っていた倉庫になっています。

 

廃業されたのか、ゴミの不法投棄を避けるためのトタン板が張られています。

 

私が小学生だった頃、この階段下で漁師さんが漁網の手入れをしていた記憶が

 

あります。

 

 

天保山までのジョギングコースに選ぶルートは幾つもあります。

 

私は起伏と変化に富んだ坂のあるコースが好きです。

 

車で往来するにしても、この風景は地元民じゃないと撮影しないと思います。

 

右手に見えるのが八幡屋3丁目界隈。正面に見えるのが八幡屋4丁目です。

 

 

八幡屋の集落から第一突堤の交差点まで1つ川を越えて到着しました。

 

頭上50メートルに赤い港大橋が聳えています。

 

 

先の第一突堤の交差点を右折して、また橋を渡ります。

 

目の前に築港が見えてきました。 天保山までは1キロもない距離ですが、車で

 

ジョギングコースを往く場合、すこし大回りすることになります。

 

 

左手に有名な赤レンガ倉庫群が見えてきました。

 

今でも現役で活躍中の、街の歴史の証人です。

 

 

 

 

私はこの直線コースが大好きです。

 

夜の8時以降にここを走ると誰にも邪魔されることがありません。

 

その距離は200メートルぐらいです。

 

 

 

左手の建物で隠れてしまっていますが、この裏に住友の古いレンガ倉庫があります。

 

あまりにも古くて汚らしい感じに撮れてしまいましたので今回は敢えて載せません。

 

 

 

旧中央突堤前で右にUターン。

 

前方に豪華客船を見つけて、母も大喜びでした。

 

 

車を路駐して、母に声を掛けます。

 

「今からあの豪華客船をカメラで撮ってくるけど、一緒に行く?」

 

「いや、外は風がキツくて寒いからアンタが一人で行ってきい。」

 

大阪港安治川口 旧中央突堤の岸壁に停泊中のパシフィックビーナス号。

 

見られた私たちはラッキーです。

 

 

安治川を挟んで向こう側に海遊館と大観覧車が見えています。

 

午前11時でもこの暗さ。 天気がいい日はもっとクリアに見えます。

 

 

旧中央突堤をUターンして安治川方面に出ると天保山駐車場の入口に到着。

 

【臨時休館】の立て看板と一緒に満車のランプが点灯していました。

 

立ち寄る場所もないので、ここからすぐに自宅へと向かいました。

 

天保山にはお客さんが1人も居ないけど、天保山の花壇に咲く花が満開に。

 

誰にも見て褒めてもらえない分、私と母の2人で花たちを褒めてから帰路に

 

つきます。