AW 第33回オークションの出品物と類似のタイプを挙げてみる(その3)。

コインはYahoo時代に記事にしたものだ(写真は撮り直している)。

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■共和政ローマ デナリウス銀貨(62 B.C.)

 

発行責任者:ルキウス・スクリボニウス・リボ

発行地:ローマ

表面:紐冠を付けたボヌス・エウェンゥスの右向きの頭、前にBON EVENT、後にLIBO。

裏面:基底の上の二つのリラ(竪琴)とハンマーの間に、花輪で飾られたスクリボニウスの井戸。上にPVTEAL、下にSCRIBON。

※ボヌス・エウェンゥス

「良い結果」と意味する神。ボヌスは、ボーナス(賞与)の語源。

※PVTEAL

井戸。

 

 

 

 

 

 

発行責任者であったルキウス・スクリボニウス・リボについては、英語版だが以下に記載があり、このコインも紹介されている。

スクリボニウス氏族は平民ではあったが、何人もの政治家を輩出した一族のようだ。

 

表面のボヌス・エウェンゥスは、カティリナの陰謀と呼ばれるクーデター未遂事件の鎮圧を記念して刻まれたらしい。

※カティリナの陰謀

スッラの配下であったルキウス・セルギウス・カティリナが政権奪取を目論んで起こしたクーデター。当時の執政官であったキケロが弾劾演説を行い、鎮圧された。

 

裏面のスクリボニウスの井戸についても、以下に記載がある。

雷が落ちた場所を井戸として祀り、後に、訴訟関係者や金融業者などの溜まり場になった。その奉献もしくは修復を行ったのが発行者の先祖であるという。

 

《データ》
カタログ番号:Sear367
年代:62 B.C.
発行枚数:-
重量:4.08g
材質:銀
状態:販売社EF toned
※《ROMAN COINS AND THEIR VALUES VOLUME ONE》(著:David R Sear、発行:Spink)より。

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■スクリボニウスのデナリウス銀貨

 

今回のAWの出品物はこれ。

下見の感想を書こうと思っていたのだが、オークション始まっちゃうな(^^;

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■AW 第33回オークション~古代貨セッション②下見


古代貨セクションは18時30分から、ただいま18時29分なので、事後だなと思ったらまだまだじゃん!

というわけで、オークションのコールをBGMにして書くことにする。

 

今回はもうほぼ入札するつもりはない。Heritageで欲しいコインがあるのだ。

そのため熱が薄かったり、文句が多かったりするかもしれないのだが、下らぬ戯言だと思って欲しい。

 

まず全体的に思ったのは、魅力的に感じたコインが少ない。少なくともHeritage+αで欲しいと思ったコインは数えるほどしかない。

次に、ウェブの写真より落ちるものが多いかなという印象。

写真は少しコントラストが強調されていて綺麗な打刻に見えるのだが、現物は浅打ちに感じるものが多かった。逆に写真でスクラッチなどが目立っても、裸眼では気にならないものもあった。

 

以下、個別の感想。

 

小さいけどかわいいね。

 

一つ前のロットもだが、2020-07-18のAWの出品物だった。現時点で前より騰がっている。

 

これなぁ……もう少し迫力があるのかと思ったら大したことがなかった。サイズは私が持つ510-470BCタイプより大きいはずなのだが、陽刻・陰刻の部分が浅い。

この年代の特徴なのか、バリエーションなのか、個体なのか、(違うと思うが)ChFだからなのか分からないが、おそらく540-510BCの間でも変遷があるのだろうな。

 

何か、電話ビッドのやり取りらしきものが副音声みたいに聞こえるな(^^;

 

MS★とはいえ現在価格760Kはすごい。裏面のフクロウは秀逸なのだが、それ以外で心惹かれるところはなかった。

 

このタイプの価格が騰がって欲しいわけではないが、XF相当である前提で魅力的。アテナのヘルメットのペガサスが分かりやすいのが良いと思う。

 

私が先日Heritageで落札した価格より下だが、もう少し騰がろうな。バールの顔が潰れているのが気になるのだが、全体的にMSというのは納得。特に裏面は秀逸。

 

“Edge Repair“でスラブには入らなかったものだが、(裏面の馬の頭を除いて)見映えは悪くない印象。でもこういうのは騰がらないんだろうな。

 

これはテトラドラクマではなくドラクマで現価格351K。

高い気がするのだが現物は確かに良い。写真がテトラドラクマサイズならふーんという感じなのだが、ドラクマサイズに収まっているので細やかな印象なのだ。

 

別に欲しいとは思わないが、しっかりした打刻だった。

 

全体的にChAUは納得できるのだが、裏面の牛の後ろあたりがかすれていてもStrike4/5なんだな。

 

これも裏面が気になるんだよな。

 

 

手を出す気はないのだが、このあたりは良い。髪や髭が細かすぎてちょっとゾワゾワするほど(^^;

 

 

このくらいかな。

まだ古代貨セクション始まっておらん(^^;