起きたら、彼女の下着がまだベッドの上にあった。

もういないはずの彼女の痕跡が、ぐしゃぐしゃになったシーツの上で静かに存在を主張している。
昨夜の記憶が、喉の奥で熱く再生された。


その日、仕事終わりの俺は完全に疲れていた。
会議3本、客先2件、深夜の資料作成。
「今日はもう、誰かに甘えたい」
その気持ちだけが頭の中に残っていた。

ホテルへ向かう道すがら、スマホを開いてGleezyを起動する。
ID「jp8689」──Angel店長に連絡。
「癒されたい夜。ちょっと、甘えられる子で。」

5分後、写真が3枚届く。
その中にいた、あの子を見た瞬間、全部決まった。


時間通りにノックの音。
ドアを開けると、ふわっと香る石鹸の匂いと、写真よりもずっと柔らかい笑顔。

「こんばんは、今日もお疲れ様でした」
その一言で、体の力が抜けた。

言葉は少なかったけど、肌が触れた瞬間、すべてが始まった。


キスは優しくて、でも芯があって、
シャワーのあと、彼女がタオルのままベッドに入ってくる。
少し恥ずかしそうに笑って、肩を見せてくれた。

俺の指が彼女の腰に触れた瞬間、
彼女は目を閉じて、ぽつりと呟いた。

「今日ね…下着、つけてきてないの。」

心臓の音が、いつもより少し早くなった。


そして今朝。

彼女はいない。
けれど、白いレースの下着が一枚、俺の枕元に残っていた。
──あれ?下着つけてなかったんじゃなかったっけ?

…そう思った瞬間、口元がゆるんだ。

たぶん、また会いたくなる。