徳田さんて、何でこんなに優しいんだろ。
馴れない土地で、純粋な優しさが胸に染みる。
徳田さんは「食いしん坊！万歳！」の山下真司に激似だった。
だから、全くタイプではなかった。
どこで買ったんだろうというような、バブリーな紫色の肩パットの入ったスーツを着ていたり。
どこで切ったんだろうというような、古い髪型をしていたり。
知れば知るほど、気になった。
急に話がしたくなり、退勤後、事務所に1人でいる徳田さんを見つけ、話し掛ける。
👩「お疲れ様です…。」
🧑💼「あー、はーい。お疲れ様ぁ。」
👩「今日ありがとうございました。前も、助けていただいて。」
🧑💼「…………ん？なんかあったっけ？」
👩「あの、ビール割っちゃって。」
🧑💼「あ〜、いやいや、派遣さん業務量多すぎて可哀相だよ。回らなくなるよね。」
👩「……」
🧑💼「嫌なことは忘れて、今日はゆっくり休んで。本当お疲れ様。」
胸がフワァっと、熱くなる感じがした。
徳田さん、結婚してなかったらいいな。なんてね。
