つい最近ネットでこんな会話を目にしました。
今って中国の人が商標登録したとかで、チネイザンって言っちゃいけないんだね。知らなかった。
チネイザンはタイの伝統のマッサージを中国人が権利を買い取って登録商標したと自分のタイ人の先生の周囲の人に聞いた。
そもそも
1,チネイザンはタイの伝統マッサージなのか?
違います!
前回の投稿でも説明したようにチネイザンはタイ語ではなく中国語の気内蔵(気功による内蔵療法)で中国発祥のタオ(道)の原理に基づく手技療法です。
一方タイマッサージも臍をエナジーのセンターと考えているので親和性はありますがタイマッサージのルーツはインドのヨーガで仏教と共にタイに伝来した別な体系の手技です。
チネイザンはタオの手技療法として中国で紀元前に生まれ、現在のマンタクチア(謝明徳)老師の代まで一子相伝で口伝に依って継承されていたものを広く一般の現代人に伝えるため古来の伝授法を現代医学の知識に基づいて再編し、当初はニューヨークで教えた後チェンマイ郊外にタオガーデンを設立して気功やチネイザンを教えるようになるとそこに沢山の西洋人が集まり、それを見た周辺のタイ人セラピストたちが自分たちの手技をチネイザンと名乗るようになったのです。
タイの伝統マッサージにももちろんお腹にフォーカスした手技はあるのですがそちらはタイでもマイナーな存在だったため、チネイザンが有名になり従来のタイマッサージの数倍の料金も取れることからチネイザンと称するようになったわけです。
その中には実力のあるタイ人セラピストもいました。
↑マンタクチア(謝明徳)老師の
著作「気内臓療法」
2,中国人がタイのものを商標登録したせいで使えなくなったのか?
それも違います!
タイにはもともと日本人を主な顧客にしてタイ政府認定を詐称して資格を売るスクールもあり、お金さえ出せば3日間で取得できるタイ政府認定(を詐称する)のチネイザンティーチャー資格を売っていたスクールもありました。
前回の投稿でも説明したようにチネイザンのプラクティショナー資格(タイ政府認定)を取得するには最低1年。ティーチャー資格は最短でも4~5年はかかります。
(ぼくは10年かかりましたけど)
そのような顧客を騙すような(ターゲットは主に日本人ですが)スクールビジネスが蔓延ったため英語表記のChiNeiTsangを国際商標登録を取得したのですが、日本ではすでにチネイザンの名称が広まっていたため日本語(カタカナ)表記のチネイザンは誰も(チネイザンの創始者でさえも)商標登録できない状態にあります。
なのでチネイザンという名称はそれを学んだことがなくても誰でもが使えます。
ただし、それが適切(技術の優劣ではなく名称として)かどうかは別の話になります。
中国人がタイ人のものを商標登録した。
は確かに中国人に対する偏見を持った日本人の心に刺さるものがあるかも知れないです。
でも、例え顧客を感動させるほどの高いクオリティの技術を持っていたとしてもこのようなデマを顧客に伝えてセッションをしているのであれば、それはタオ(道)に外れているからですね。
もちろんタイの伝統マッサージ(インドのヨーガを起源として仏陀の教えと供にタイに伝来した)の道からも外れた行いです。
↑タオガーデンの日本国内での登録商標。
ロゴマークでは取得できましたがカタカナ
のチネイザンでは登録できません。
■UHT(UniversalHealingTao/タオガーデン)