石の博物館の宝石コーナーを見終わり、ふ~~~~っとため息をついた所で

はっ!!


修道女の美しいお人形さんが展示されていました。

こ、これはもしや、あのヒルデガルド様では?!



聖ヒルデガルド・フォン・ビンゲンとは約千年前のドイツのベネディクト派の女子修道院長で、
幻視者にして、神秘主義者、ヒーラー、音楽家であり、ヨーロッパ薬草医学の祖といわれる
西洋史上においては大変有名で偉大な女性なのです。

もなりは若かりし頃、神秘主義の本の中で神と対話をする卓抜な幻視者として
ヒルデガルドの名前を初めて知りました。

石を仕事にすることになって、あらためて彼女は植物動物のみならず石とも通じ合い
治療、治癒、要はヒーリングとして石がどのように作用し、活用するのかを記した人だと知りました。

もっと深く知りたかったけど文献も少なく、いつも心の片隅にいつかヒルデガルドが記した石の話を読みたいと思っておりました。

ヒルデガルドは幼少の頃より幻視体験が始まり、8歳で修道女となってからはその能力はさらに強くなり以後ずっと続いていきます。

聖ヒルデガルドの幻視体験はトランス状態や瞑想状態で起こるのでなく、覚醒した状態で周囲の光景や出来事も正常に知覚しつつ、幻視や幻聴をしていたそうです。

42歳の時「ヴィジョンを公開せよ」との天上の声を聞き、幻視体験を記述しました。
当時のローマ教皇もこれを読み、ヒルデガルドが神の意志を知らせる代理人であると認識されます。

代表作は『(神の)道を知れ』、石の話等が載っているのは医学に関する著作『フィジカ』(薬、あるいは薬効のある薬の本)です。

この夏、ドイツで久しぶりに聖ヒルデガルドに触れることが出来て、改めて検索してみますと2005年(つい最近)
『フィジカ』の日本語訳が出版されていました。「今すぐ購入」をクリックしたのは言うまでもありません。
聖ヒルデガルトの医学と自然学

「石はすべてが火と水分を含んでいる」から始まる「石」の項目ですが、
ヒルデガルドの自然学の基本である4元素(火、空気、土、水)、4基本体質、4体液等、
アユルベーダの基本とほぼ同じであることに深い感銘を受けました。

続いて「悪魔は高貴な石を嫌悪し、憎悪し、軽蔑する。というのも悪魔は神から授かった栄光から堕落する以前には、
貴石の美しさをその身に具現していたことを記憶しているからである。また、ある種の貴石はその存在を炎に由来し
その炎の中で悪魔は罰を受けるからである。。。。」(『聖ヒルデガルドの医学と自然学』より)

これを読んだときは、石をヒーリングや魔除けとして愛する私にとっては、言葉にならない程の感謝と確信と喜びでした。

石の項目には25種類程の石が出ていました。どれも馴染みのある大好きな石ばかりです。
1000年前のドイツの環境の中、神様や自然、精霊と繋がり受け取られた情報は、大変ありがたく改めて勉強になります。

例えば、水晶は天日で温め、温かいうちにまぶたの上にあてるとかすみ目の治療によいとか、
アメシストは唾液で湿らせ顔のシミにこすりつけると良く、お湯にアメシストを漬けたもので顔を洗うと肌がきれいになるなど、
実践的な用法が書かれています。

他にも、ハーブの薬効と毒性と利用法等、自然療法に興味のある方にはたまらない名著です。

日本語訳されててありがたいです。

昨年には聖ヒルデガルドの生涯を描いたドイツ映画「VISION」が公開されていました。
日本ではほとんど知られていません(私も帰国してから知りました)。

音楽家としても聖歌等沢山残していて、現代でもCD等で聞くことが出来ます(さっそく購入しました。素晴らしいです)


イーダーオーバルシュタインに行き、期せずして聖ヒルデガルドにお会いできたことは、
自分の原点回帰、石と自分の関わりの確認、そして更に学びと信仰(神様と供にある事)がまだまだ存在すると言う喜びでした。

感謝とともに

ブログを書き終えて驚き。。。
明日、9月8日は聖母マリア様のお誕生日なのですね。

アーメン