本日は、「米国一流大学への日本人留学生の減少」というワシントンポストの記事に関して、私の意見を述べたいと思います。

「2000年以来、米大学における日本人学生数が減り続け、学部生の数が52%減少、大学院生の数が27%減少した。昨秋、ハーバード大学の学部に入学した日本人はたった1人だった。日本人が減少する一方、中国・韓国・インドからの留学生は倍以上に増加。」

ワシントンポスト (ライブドア訳)4
これについては三点ほど、疑問に思います。
• 人口増加率の高い中国やインドと比較することは、無意味である。
• ワシントンポストで紹介された記事の表現を、検証せずに記載する日本のマスコミのあり方に疑問を感じる。
• ハーバードやアメリカの有名大学を卒業することにおける、費用対効果の減少

このうち、三つ目の点を中心に私の意見を述べたいと思います。

そもそも、国際学生にとって、アメリカの有名大学を卒業するのに必要な資金は莫大です。
ハーバード大学に学部生として留学しようとすると、年間約400万円程かかり、約同等の金額を4年間払い続けます。まず、知的レベル云々より、上記大学を目指すための費用を捻出できる両親を持つ子供が少ないと思います。3

また、有名大学に入学するために必要な事前教育に対する投資も、高い障壁となっています。今年度、米国有名3大学である、ビッグ・スリー(ハーバード、イェール、プリンストン)のうちの一校である、イェール大学に留学した日本人学生は10名おり、その割合は「3分の1がインターナショナルスクール出身、3分の1が私立の帰国子女、3分の1が普通校出身(全員RouteHの学生)」となっています。ハーバード大学の入学者も同様の、バックグラウンド必要と考えてよいと思います。4

また、各事前教育に必用な金額も非常に高額です。参考までに、インターナショナルスクールの学費は、年間150-200万円が必要であり、卒業までの年数この料金を支払い続けます。1

高校留学も途上国に留学しない限り、年間200-400万円程かかります。(個人的な意見としては、ハーバードに入学するためには、米国高校での良いスコアも必須となるため、高校留学前の語学学校において言語能力を上げることも必要になると思います。)2

ベネッセが運営するRouteHという、ハーバードに合格するための事前学習講座も150万円―300万円程かかるようです。6

上記内容から、一重にハーバード大学留学といっても、大学に合格している方のバックウンドを拝見していると、入学するためには、最低300万円以上の事前投資が必要となるのがわかります。

それに加えて、大学卒業までに学費のみで、1600万円の支出が可能な家庭が入学条件を満たすといえます。その費用を賄える家庭はそれほど多いのでしょうか?

また、ハーバード大学での有名な専攻分野は、1位.経済学 2位.政治学 3位.社会学 となっており、理系よりも文系の専攻で有名です。7 経営面に携わるビジネスマンがキャリア形成を行っていく上で、MBAなどビジネス分野において修士学以上の学位は必須状態となっています。また、ハーバードでのMBAは、毎年1位か2位を推移しており、MBA取得のためにハーバードに行くことが出来れば十分であり、MBAの入学条件として、ハーバード大学を卒業している必要はありません。政治学においても、同様のことであり、政治において「キャリア」を形成されている方を見ても、大学院を出ることが必須条件となっており、学部に投資するよりも、修士取得のための投資の方が費用対効果が高いと思います。

よって、無駄に高い資金を捻出し、学部生として留学する価値(費用対効果)が大学に無いことが、今回の留学人数の減少の一番の原因ではないかと思います。

日本が国として、ハーバード大学の学部を卒業することが価値のあることであると位置づけるのであれば、政府の資金面でのサポートが必須だと思います。個人的な意見としては、日本国内の大学のレベルを、国際的に誇れるレベルに上げることに重点的に取り組む必要があると思います。

理系分野においては、少なくとも知識の積み上げと、その応用において、社会への貢献が可能であり、海外発信の際には、研究結果を伝えてゆけば効果があると思います。しかし、文系分野においては、理系分野ほど研究対象に費用を掛ける必要はなく、社会現象の読み方、分析方法の学問となっていると思います。日本の分析方法や解読方法が他国の分野と違う場合、結局、アカデミックな分野において、多数の納得する人数を集めた方法論が残ります。また、残ったものが価値のあるものとして、評価されます。

その中で、本当に日本の政府が、日本の方法論を国際舞台に残したいと思うのであれば、国際舞台で議論してどの国の人間に対しても「納得させる」このできる能力を、養う必要があると思います。国際舞台で議論するためには、まず、「考える」能力が必要です。

私たちは、その考えるための教育が、日本の教育に欠けている事をもうそろそろ気づかなければなりません。日本人が積極的でなくなったなどと、根拠の無いことを発言する前に、私たち一人ひとりが考え、その考えを発表する能力を養うには何が必要かを真剣に吟味し、政府はその分野をサポートする必要があると思います。

海外にいると実感しますが、海外に滞在している中国やインド人の留学生に比べて、日本人の相対数が圧倒的に少ないことも事実です。日本のニュースを見ていると、内弁慶になり、「日本国は特別」的な、根拠の薄い無責任な思考が広がっている気がします。今後とも、世界においての日本のプレゼンスはどうあるべきなのかという議論が積極的に行われるべきだと思います。

少しだけ意見を書こうと思ったら、長い文章になってしまいました。
最後まで、読んでくださった方ありがとうございます。

参考:
1. インターナショナルスクールとは? 学費・費用・入学条件は?http://www.inter-preschool.com/policy/intl-school.html

2. 高校留学.net http://www.koukou-ryugaku.net/

3. ハーバード大学 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%E5%A4%A7%E5%AD%A6

4. 「ハーバード大学の日本人数激減」の意外な真相【1】             http://news.livedoor.com/article/detail/4819912/

5. ビジネスウィーク(BW)のMBAランキング               http://www.mbajapan.org/20business_weekmba/

6. 羊頭狗肉のRoute H                                     http://ameblo.jp/meimonkoryugaku/entry-10330978236.html

7. Majors at Harvard                                      http://gregmankiw.blogspot.com/2009/03/majors-at-harvard.html

8. Route H http://rt-h.jp/

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