勝手に持っていったろか、と何度も思って父に叱られた。
十数年後、私の預かる次第になった(自然に手元にきた) のには驚いたが、更に私を驚かせたのは…。
それは有名な作者でもなく゛無名゛の青磁器だったって事。
名にとらわれず、良いものは自分の感覚で選んでいくんだと教えられた気がした。
彼らしい…。
彼らしいのは、その花器の口は胴に比べ不自然なくらい小さく、まさに胡蝶蘭一輪しか挿せず、胡蝶蘭くらいの迫力がないと、花が器に負けてしまう。
まさに、胡蝶蘭一輪用の器だったのだ。
今は切り花の胡蝶蘭は手に入りにくく、本当に私を困らせた。
何を挿してもしっくりこない。
そんな時に、この花器に花を挿してくれた方がいる。一瞬で花がひきたち、器がひきたつ。
嬉しかったな…。
ありがとう…。
以後私は教えていただいたように、花を選び悪戦苦闘しながら挿している。
あの方のようには上手くいかないけれど…。
早くその方が良くなりますように…。
ちゃんと、絶やさず、花を活けてます。
上手に出来ないけれど…。
元気になって見にきてください。

芳眞