「トラベル・サンド」
高橋ヨーコ:写真
ロッキング・オン:出版


女優の蒼井優×写真家の高橋ヨーコによる、真夏のアメリカ旅行のドキュメント写真集。
 

 

 

 


★★★〈自分が読んだ動機〉★★★
高橋ヨーコさんの写真が好きで、彼女の作品を探しているときに知った本です。


★★★〈こんな人におすすめ〉★★★
・蒼井優さんが好きな人
・高橋ヨーコさんの写真が好きな人
・夏のアメリカを旅行した気分になる写真集を見たい人


★★★〈本の概要〉★★★
蒼井優さんと高橋ヨーコさんが12日間にわたって真夏のアメリカを旅して撮影された写真集です。
行先はロス⇒モハビ⇒ラスベガス⇒デスバレー⇒タフト⇒サンタバーバラ⇒ロス⇒サンディエゴ⇒メキシコ⇒ロス
都会よりも田舎、高級ホテルではなく安価なモーテルに泊まる旅で、ローカルなアメリカを旅する蒼井優さんのトラベル写真集です。


★★★〈他にはない、とても自然体な写真集〉★★★
「他にはない写真集を!」というコンセプトで作られた本作の初版は2005年。蒼井優さんが20歳を迎える直前に、夏のアメリカを旅しながら撮影されたものです。
写真家の高橋ヨーコさんと2人きりで車で移動し、宿もその日の気分で決める。「ここ行きたい」「じゃあ明日そこへ行こう」と行ってその場所で撮影するなど、かなりフリーな日程だったようです。

「女優の写真」というより「アメリカ旅行を楽しんでいる女の子の写真」といった方がしっくりきます。
蒼井さんはほとんどすっぴんで、服装もTシャツやタンクトップ×デニムなどいたってシンプルでカジュアル。気取った表情もポーズも取らないリラックスした表情で、アメリカ旅行を心から楽しんでいることが伝わってきます。


★★★〈女優:蒼井優の魅力が詰まった一冊〉★★★
普段テレビを見ないので、蒼井優さんのことはよく知らないのです・・・ですが広告などで見るたびに「透明感があって綺麗な雰囲気の女優さんだなあ」と思っていました。
花で例えると白いカラーのよう。華美ではないけれど、静かにスッと佇む気品のある女性という印象でした。

撮影当時19歳の蒼井さんはまだ女の子といった感じで、今よりさらにフレッシュな印象です。
アメリカの風景に溶け込み、それでいて風景に埋没することなく人目を惹く存在感があります。タンクトップやビキニの水着といった露出度の高い服を着ても、不思議なくらいエロさやいやらしさが全く無く、ナチュラルで可愛いのです。

これほど絵になるのは整った顔立ちと抜群のスタイル(ほっそり華奢な体型にビックリ!)、そして澄んだ雰囲気を持つ彼女だからこそ。今も昔もやはりとても魅力的な女性なんだと思いました。
高橋ヨーコさんの写真目当てに購入した写真集ですが、蒼井さんの魅力を知ることができた本です。


★★★〈高橋ヨーコさんが写す、真夏のアメリカが最高に素敵!〉★★★
そして高橋ヨーコさんの写真が最高に素敵です。

色褪せたような柔らかな色合いでどこか乾いた雰囲気が高橋さんの世界の特徴だと思いますが、それが日差しの強い夏のアメリカとぴったり。写真からはカラッと乾いた空気が伝わってきます。日本のジメジメした夏と違い、湿度0%、気温は50度を超える日もあったとか。(湿度0%だとお風呂上がりの濡れたロングヘアが30分で自然乾燥するそうです・・・)
日差しが強く真っ白な光が溢れていて、空も大地も広々としていて開放感があり、とても明るい雰囲気です。

そしてメインの人物だけを目立たせるのではなく、人物と風景の両方を主役にしてしまうのが本当に見事。「女の子の写真」といより「女の子のいる風景」という印象を受ける写真も多く、蒼井優さんの魅力と真夏のアメリカの魅力が見事に溶け合っています。蒼井さんのファンでなくともきっと素敵な写真だと感じると思います。


★★★〈蒼井さんの旅日記も収録〉★★★
本作には写真だけでなく、旅の間に蒼井さんがつけていた手書きの日記も収録されています。
どの町でどんな宿に泊まり、どんなレストランで何を食べたのか。立ち寄った店で買ったもの、目にした風景、出会った人のこと、日本と全く違う気候や町の様子にビックリしたことなどが書かれています。
「この町ではこんなことがあったんだ」「この写真はこんな風に撮られたんだ」と写真と合わせて楽しめます。


★★★〈終わりに〉★★★
最高のモデル×最高の写真家のタッグから生まれた素敵な写真集です。
蒼井優さんのファンでなくとも楽しめる、アメリカを旅行した気持ちになれる一冊です。