「言うだけ番長」前原氏孤立 税外収入「2兆円増」発言で集中砲火
東日本大震災の復興財源をめぐり、民主党の前原誠司政調会長は「税
外収入を政府案より2兆円積み増した7兆円にする」と胸を張ったが、早く
も黄信号がともった。どうやら何の根回しもせずに大風呂敷を広げたとみ
え、閣僚からは否定的な発言が続出。これで目標額を達成できなければ
「言うだけ番長」という不名誉な称号は不動のものとなりかねない。
「努力目標という方もいるが、そうではない。税外収入を7兆円にし、10
年間で9.2兆円の復興増税幅に圧縮する政府・民主党の合意内容を改
めて確認させていただきたい!」
前原氏は29日の党代議士会で声を張り上げた。五十嵐文彦財務副大
臣が、増税額を11.2兆円から9.2兆円に圧縮するため税外収入を2兆
円上積みすることを「目標値にすぎない」と切り捨てたことに反論を試みた
ようだ。
ところが、前原氏への拍手はまばら。多くの議員が実現できるとは思って
いないのだ。閣僚からも前原氏の意気込みに水を差すような発言が続い
た。
藤村修官房長官は29日の記者会見で臨時増税額について「スタート時
点では11.2兆円だ」と述べ、次期臨時国会に提出する税制改正関連法
案に11.2兆円と明記する方針を表明。安住淳財務相も「エネルギー関係
株やJT株など全部売却できれば税外収入は7兆円になる」と言いながら
関連法案に11.2兆円を明記する考えは譲らなかった。
前原氏が、エネルギー対策特別会計が保有する国際石油開発帝石(IN
PEX)、石油資源開発(JAPEX)などの株売却により「新たに約7千億~8
千億円を生み出す」とぶち上げたことへの反発も広がる。枝野幸男経済産
業相は29日の参院予算委員会で「エネルギー安全保障の観点から株を
すべて売れるとは思っていない。これからきちんと精査する」と冷ややかに
語った。
前原氏と枝野氏の主張のどちらが正しいのか。公明党の白浜一良参院
議員がこれを質すと、野田佳彦首相はあっさりこう言った。
「枝野氏の答弁の通りです…。売却可能と判断される株式をできるだけ
売却すると理解している」
それでも前原氏は強気を崩さない。29日夕の記者会見では「税外収入
の7兆円も増税幅の9.2兆円も税制関連法案に書く」と言い切った。
ところが、民主党の輿石東幹事長はこれに先立ち、「11.2兆円」を法案
に明記し、5兆円を超える税外収入を確保できれば付則で増税幅の減額
を規定するアイデアを披露していた。前原氏のいう「法案に書く」とは、付
則に目標額を書き込むだけだという種明かしをしたに等しい。
八ツ場ダム(群馬県)建設中止など前原氏の「口先だけの発言」は数知
れない。今回の税外収入をめぐっても政府・与党で孤立を深めており、これ
で目標を達成できなければ「次期代表」への期待値も急速に萎みかねな
い。
まだ代表になる気でいるの!?

