懸賞好きな俺。応募券をコツコツと貯め、宛先を書いてポストに入れる興奮が好きだ。で、投函したことなんてスッカリ忘却の彼方になっている頃に、サプライズ的に賞品が届く嬉しさもまた一入(こう書いて「ひとしお」と読む)。

いままでの戦利品と言えば、お菓子の詰め合わせからルアー、アニメの限定トレカ、好きなマンガのTシャツ、図書カードetc数え上げたらキリがない。毎年2,3は何か当たっている。そして今年今までの中で最も高級なものが当たった。



日帰りバス旅行。



スーパーのレシートで何気なく応募したのが、何気なく当たった。コンセプトとしては「お母さんへの感謝の気持ちを込めて、バス旅行をプレゼントしよう」というものだったので、「何故、父親でも祖父母でもなくて母親を対象に???」と不思議がりつつも母親の名前で応募。(後で分かるのだが、財布の紐が比較的緩い奥さんたちに、行く先々で買い物をさせようっていう魂胆(笑))

正直、家族仲はあまり良くない。父親は統合失調症でマトモに話せる状態ではないし、妹は妹で勝手気ままにJKを楽しみ、母親は仕事に追われつつもグウタラしている。自分の目から見て、一般的社会生活を円滑に且つ鷹揚に満喫しているのは祖母一人だけのように感じる。要するに……カオスなのだ。この家は。家族そろって自発的に外出することなど、もう何年ないだろう。
特に俺と母親の仲が特に微妙……GIDであることをカミングアウトしてから、かなり辛くあたられるようになった。病院のことを話しても大抵無視される。

今回のバス旅行、俺としては、いつも仕事ばかりで出不精な母親に気分転換のつもりで応募した。ささやかなプレゼントのつもりだった。
ところが、送られてきたチケットは1人分。「一人でなんか行きたくない」と母親。
しかも同行者は一人あたり12000円かかり、日曜に行くとチケットを持っていても1000円かかる。「お父さんと行ったら一人約7000円もかかるじゃない」
詳細なプランを見て「行く場所がちょっとねぇ…いかにも買い物してくださいって魂胆が見え見え」

挙句の果てに「ありがた迷惑だ」とまで言われてしまった。

せっかく当てたのに、俺としては残念すぎる。
結局キャンセルするかどうか悩んだ末、今日両親はバス旅行に。

帰ってきてから「行くんじゃなかった」と言われたらどうしようと心配していたが、どうやら束の間の休日を楽しんできたらしい。何だかんだで晴れやかな顔をして二人とも帰ってきた。

「行ってきたよ。ありがとう」

その一言で充分だった。
自分の強運も人の笑顔のために使えるなら、こんな嬉しいことはない。
無事、注射が始まったら今度は家族全員で出かけたいものだ。

今日はぶらりと横浜を一人で散歩した。
残念ながら雨ではなかったが、涙色の陰鬱な天気のもと、孤独と戯れる喜びを噛み締める。デートでもないのに少し気取った服を着て、今日は丸一日机の上の勉強とはおさらばサ。

まずはどうしても行きたかった横浜美術館のドガ展へ。
平日なのに結構な人の入り。チケット売り場にて、隣でチケットを購入しているカップルをふと見ると、彼氏の手には東京大学の学生証が。奇遇なもんだ。

やはり一人の芸術家の一生を追うのは楽しい。ドガの生涯を通じての変化が館内を歩くという行為を通して伝わってくる。それはドガの伝記や解説本などを読んだだけではわからない、美術館という空間のみに許された特権。体で感じるということ。身も心も全てその空間内に布置して、作品に迫り、自分の足で彼の時間を追っていく……そうしてでしか得られない感動がある。1200円を払っただけの甲斐はあったかな。

午後はワールドポーターズのアメリカ雑貨店を物色したのち、JICA横浜移民資料館に。日本人移民の歴史を学ぶ。今まで日系ブラジル人や日系ハワイ人って一体いつ渡ったのか?と不思議であった。世界史の資料集には少ししか載ってないし、俺の日本史の知識など小学生に毛が生えた位……いや、小学生以下である。とにかくこれで、日本人移民の歴史についての教養はある程度得られた。小学生の頃に読んだ、『ズッコケ三人組 ハワイに行く』のネタは史実に沿っているのだなぁとしみじみ。

あとは海風の中、赤レンガ倉庫から象の鼻パークを経て山下公園まで歩く。一抹の孤独を味わいながら、トボトボ歩く。キング、クイーン、ジャックの塔も巡ってみたかったがそれはまた今度。低く垂れこめた空の下、公園のベンチに一人腰かけ、時化た灰色の海を見ながら缶コーヒーを飲みほした。


日暮れに合わせて元町の商店街に。ここはいつもキラキラ輝いている。上品なマダムたちが行きかう街。瀟洒な喫茶店や宝石店やブティックや洋菓子店が軒を連ねる。あまりの明るさに目を細め、あてもなく歩を進める。人々のざわめきに身を沈めて。

駅には中華街を通って行くことにした。元町とは対照的な活気。そこここから漂う食べ物の匂い。「お兄サン、手相、やっていかない?」客引きの声もする。最近の日中関係とは裏腹に、ここはいつでも賑やかだ。欲望が露わになっている不夜城。


とまあ今日はセンチな気分で横浜を歩いたわけだ。日常の俺の無骨さを知っている人には意外に思うかも知れないが、俺は美しいもの、上品なものも好きである。コテコテのフランス貴族や英国紳士にも憧れたりする。
しかし、それだけが美しいものだとは限らない。上品であったとしても。庶民的な活気の中にも、また一味違う美しさが存在する。それは飾ることのない、剥き出しになった生の泥臭さ。

そんな多様な美しさが混在する横浜が好きだ。


昨日今日は天気も気温も対照的だな。風邪をひかないように注意しないと。

昨日は友人に病院に付き添ってもらいました。
病院に行く前に、湯島天神で防衛医大を受ける(10月末)後輩のために御守りを購入。運動会で直接渡せれば良いのだが。自分がしてあげられる最後のことってそれ位しかないからなぁ。他の人と違うことをするってすごく勇気がいることだ。皆が「まだあと試験本番までは4,5ヶ月ある」って時に一人で「あと1ヶ月しかない」って奮闘しなきゃならない。合否も他の人より早く分かってしまう。一人で噛み締めなきゃならない。俺が送れる最後のエールを

その後本郷キャンパスに行ってちょっとした手続きを。ふらりと立ち寄った図書館には感激した。赤絨毯に歴史を感じさせる荘厳な電灯…うーん、やはり最高学府。心なしか自習している先輩方が神々しかった。

で昼飯食べて病院に。くそ暑い中一緒に歩いてくれた友人に感謝。本当にありがとう。


今日は打って変わって雨。

自転車で髪を切りに。美容院のおっちゃんにはもうカミングアウト済みだから容赦なく短く切ってくれる。しかも男性料金だから女性料金より500円安い笑)

雨に打たれる心地よさを感じて。去年は「風邪引いたら受験勉強が…」と心配してたが今年は問題なし。ずぶ濡れになって寒い思いするのも楽しいなと感じられる。

明日も雨を楽しみたい