ローリー・ライル 著+道下 匡子 訳
「ジョージア・オキーフ―崇高なるアメリカ精神の肖像」Parco出版局
ジョージア・オキーフについて昨日ちょびっと触れたので、記事をアップしてから念のため、要チェックの類縁書がないかをamazonで確認したところ、あわわわ、という事実を発見しました。長らく入手できなかった名著、ローリー・ライル 著+道下 匡子 訳「ジョージア・オキーフ―崇高なるアメリカ精神の肖像」Parco出版局
刊行されてから24年ほど経過してますが、この本は膨大な資料とインタビューを元に書かれたオキーフ伝記の決定版。訳者の道下匡子さんはあとがきで、この本の執筆過程をこう記しています。
ーーもとニューズウィーク誌の記者、ローリー・ライルが、のべ三年をかけて二十四州を訪れ、無数の美術館や図書館で資料を調べ、クラスメイト、家族、友達など、オキーフを直接知る人々をインタビューして書かれたものです。p391
400ページ近い厚みの本を開くと、今となっては珍しい(昔は多かったです)活字2段組み。文字がぎっしり詰まった大著ですが、オキーフの誕生から90代後半(原著は1980年発行)まで、さまざまなエピソードとともに語られるオキーフ像が面白く、ぐんぐん進めます。優れた日本語訳を付けた、道下匡子さんの力量も忘れてはならんでしょうね。
右の画像は、本に挟み込んだまますっかり忘れていた(;^_^A、マガジンハウス時代の「Elle JAPON」の記事。道下さんを犬飼智子さんがインタビューする内容で、左の髪の長い女性が道下さんです。当時、道下さんは「ビデオ作家」という肩書きで活動されており、専業の翻訳家ではないんですね。自身の制作の合間に、大著の訳も手がけられたというのは、オキーフに対する並々ならぬ興味と共感の証でしょう。
思い入れのある題材に、がしっと向き合うような仕事は、たとえその人にどんなに能力があったとしても、一生のうちにそう何度もできるもんじゃありません。著者と訳者の組み合わせだけでも、読者として本を読める幸運に、なんか感謝したくなるですよ。
あまりに大事だったので、「借りたい」という友人のリクエストにも「ごめん。この本だけは貸せないの」と断り続けてん十年。古書店でプレミアが付いてるのを見かけたことがあるような…。新刊が手に入るなら、迷わず薦められるです。やたっ。
それから蛇足でございますが、記事のテーマを便宜上visualにしました。アンセル・アダムズ など有名な写真家が撮影した写真が多数収められていますが、この本は伝記という読み物ですので悪しからず。小説でもないし~、エッセイでもないし~、いろいろのカテゴリーに入れるにはビジュアルに特徴がありすぎるし~ということで、仕方なくこうしました。分類方法の甘さが出ちゃったな(笑)。
左は表紙、右はスティーグリッツと一緒のオキーフの写真を使った裏表紙

