西脇
順三郎さまのお姿について触れましたので、みなさんにも見ていただこうと思って引っ張りだしてきた、昔の現代詩手帖。1982年7月号です。表紙の写真は神保町(たぶん)の古書店で本を品定めをするの図。右下に<西脇順三郎追悼>の文字がありますが、読めるかな~。

亡くなったことを新聞で読んだ時は、
「大好きなおじいさまがまた一人亡くなったよ」と、悲しかったです。幼いころよりなぜか私は、やせーた鳥のような容姿のじじ様たちに引きつけられ、確か最初にファンになったのは、ラヴェルなど、フランス近代の楽曲を得意とする指揮者、ジャン・マルティノン。ラヴェルの管弦楽曲は、聞き慣れているせいか今もマルティノンの演奏が、一番好きだったりします。

おっと、話が横道にそれてしまった(笑)。この現代詩手帖をぱらぱら読んでいて、「ぷっ」と吹いてしまった一節があるんですね(不謹慎かも)。ちょっと長いけど、ご紹介します~。

ーー新宿に茉莉花というバーがあり、そこに「アイヨクウドン」なる、深夜の飲み助にとってはありがたくも奇態に美味な食べ物があるが、それを発案して店にすすめた人が、ほかならぬ西脇さんだという話を亡くなられてから初めて聞いた。西脇さんのソバやウドン好きはかねがね聞き知っていたものの、その余波がこんな身近にまで及んでいるとは露知らぬまま、もう長年その恩恵にあずかっていた私はあらためて唸ったが、西脇さんはそんなふうに、まだまだわれわれを驚かすようなことをいっぱい残していかれたのだろうと思う。p60 渋沢孝輔 <永遠の解放-西脇氏を悼む>

ノーベル賞に近いといわれた詩人にして英文学者が、よくぞうどんに愛欲と名付けたもんだ。マルドロールの歌あたりの境地を、軽く超えてる気がするです。ジンセーにくさくさする時があったら、
「アイヨクウドン、ひとつね」
なんてオーダーしてる酔っぱらいの姿を想像することにしようっと(笑)。