しつこく(?)ドライフラワーのある情景を。ドライフラワーを飾った室内=カントリー系っていう、お約束が生きていたのは、いったいいつごろまでなんでしょうね~。私が編集者を始めた80年代の後半くらいは、インテリアの趣味(テイスト)によって、選ばれるお花がけっこう決まってたりしました。
アールデコなら茎のラインが直線的なカラーやユリ。一時、すごく人気のあったサンタフェスタイルは、エアプランツやサボテン。カントリーなら、バラのドライやハーブのブーケ等々ですね。たとえば上の画像は、中央のカップボードの上部にドライのお花がアレンジされてるのが分かるかな。ラフな壁の仕上げや照明器具が今のはやりとは違いますが、カントリーな趣味を徹底したお部屋です。撮影時期は1970年代の後半か80年代前半のはず。
こちらはカントリーというよりは、アジアンな匂いがするナチュラル系。黒い螺鈿細工のキャビネットをはじめ、ラタンの家具や中国段通のラグなど、いろんな国のアイテムが色のトーンを合わせて、巧みにコーディネートされてます。撮影時期はおそらく1980年代の前半。それまでのカントリー趣味を抜けだしたドライフラワー(右上の乾燥した枝ものも気になります☆)のアレンジ例として、昔からこのお宅のこの写真、ずっと好きなんです。好きなものって、変わらないものだ(笑)。
かつて、カントリー志向とドライフラワーが結びついていた背景には、<収穫>した植物を保存のために乾かすという、農作業の名残があったと思うんです。今も摘んだり、刈り取ったりしたハーブを、おウチで干す方、けっこう多いのではないでしょうか。まあ、洋の東西を問わず、田舎では昔から普通にやっていたことが、お花を乾燥させるという一種のダイジェスト版のような形に変化して、70年代を特色づける一種のファッションないしはトレンドになったのではないでしょうかねぇ。珍しくもないはずの植物との関わりが、当時かなりの数の人々の暮らしからなくなりつつあった、とも考えられます。
今ふうのお部屋にたくさんのドライの花々が飾られている状況って、ほんとうに興味深いです。いうまでもないけれど、毎日の暮らしの中から、<自然>に近い要素がいっそうなくなった証でしょうね。内田さんに代表される今のドライフラワーのある空間も、広く捉えれば’70年代から続くカントリーの系譜上にあるのかもしれません。コンビニの対極とも呼べそうなカントリー系のノスタルジックな空間が、「いい感じ」の住まいの姿として共感を集めている気がしますわ。誰だって、コンビニの中になんか住みたくないか(笑)。ちょっと考えれば、納得の動きかも~。
どりーむ編集局編「Interior Decoration(インテリア・デコレーション)Vol.2」
どりーむ編集局刊 1984年
今日の画像はともにこの本から。上がp120、下がp126
この編集部に勤務しておりました(;^_^A
追記;編集部に確認したところ、数はないらしいのですがバックナンバー有とのこと。
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