『光 中谷美紀写真集』
中谷美紀、続けます~。今日は2003年に刊行された写真集「光」、ロッキング・オン刊です。新しい本ではありませんが、この本を見つけたのは先だって。アマゾンで
「新譜が出たりしてないかな~」
と思ってCDを検索していたら、5年前の本に目が吸い寄せられました。いわゆるタレント本ぽい写真集に興味はないものの、画像とレビューをちょこっと見たら興味がわいてきてきて、少し迷いましたがクリックです。

沖縄に通っているといってもいいほど、中谷さんは沖縄を何度も訪問されているんですね。特に八重山諸島は大切な場所のようです。

--  ひとりでこの地を踏んだことは数しれずあるけれど、人を伴っての旅は今回を含めても片手で足りるほど。旅の道すがら起こる出来事の素晴らしさを独り占めしたいというのが本音だけれど、ひとりでないと出会えない人や事象があるというのも事実。でも今回は違った。

巻末のあとがき(?)で、中谷さんはこう記しています。撮影クルーといっしょに島へ渡り、限られた時間のなかで写真集を作る--。すべての写真が屋外で撮られているようなので、お天気や時間帯などの自然条件の制約が少なからずあり、大変だったと思いますが、その作業に「期待を遥かに超えて、まるで作り物のような最高の状況が与えられた」とあります。

最適のチャンスに乗って行動できた場合のみに生じる、稀な現象といったらいいだろうか。個人的には「正しいことを正しい時にやった時だけ起こる、超スムーズ現象」と、あやしげに呼んでいますが(笑)、たまーにいろいろなことがするすると流れるように運んだりします。祝福されたような時間だったのかもしれないです(何に、と自分で突っ込んどきます)。

収められている写真は、露出がオーバー気味の明るいものが多く、水すら一種のきらきらとした浮遊感のある光のごとし。伸びやかに海中を泳ぐ赤いワンピース姿の彼女を撮った1枚など、目が洗われるようです。はあ~。

光の過剰さは、ヴェールやフィルターのように働いている気がします。アップめの写真にも生々しさはあまり感じられず、本全体を通してはなんだかいい夢の光景がゆるゆると続いている感じ。女優という虚構の存在は、現実とこんなふうに隔てられている、みたいないい方(陳腐だな~)もできると思いますが、ワタシは中谷さんの目に映っている世界(全部とはいわなくてもその一部は確実に)は、こんなふうであるのだろうと感じました。

写真のふわふわした印象をもったまま、あとがきのかりっと硬質で力強い文章を読むと「えっ?」と思わされますが、そのギャップも本の奥行き感になっているのでは。海辺の夏の日を撮った名作、Joel Meyerowitz「A Summer's Day」と一緒に本棚に並べました。

*芋蔓本*
ジョエル
Joel Meyerowitz / A Summer's Day