年末、机の周りを片付けていたら、いろんな紙類で構成されたフクザツな山の中から、読みかけの本が数冊出現。どの本も途中まで読んでたことすら忘れてました。いやはや、ぼけてます。


内容をすっかり忘れてしまっていたので、白洲正子「日本のたくみ」新潮文庫は最初から読み直すことに。収められた18本の随筆は、’79年1月~’80年6月の「芸術新潮」誌上が初出。当時、第一線で活躍されていた美術工芸の作家・職人へのインタビューを元に、著者の自由で幅広い教養(素養?)を駆使しながら読み物にまとめたものです。


歯切れのいい表現は、さすが。

「当然でしょ」という感じできっぱり言い切る姿勢に、うならされることが多いなぁ。気を抜いて読むことはできないけど、いつ読んでも引き込まれるといいますか。


たしかに人間というものは、自分の仕事に、というより、扱っている材料に似てくるものである。彼は石のように無口で頑固だが、また石のように筋の通っている人物だ。その目にそって物を問えば、心を割って話もして下さるし、「流儀がちがう」人々に対する思いやりも忘れない。p40


―どんな人が作ったのか、訊ねてみると、結城の在に名人のお婆さんがいて、死ぬ前に寝床の中でひいたそうである。「死花」とはこういうものをいうのであろう。田島さんが織らないで、とっておきたくなる気持ちがよくわかるが、いくら美しくても、特殊な糸は、結城では規格の中に入らないので、はねられる。はね物だから、彼の手に入ったので、名人の最期の思いは達せられたというべきだろう。p202


*芋蔓本*

内橋克人「匠の時代」講談社文庫