- 三谷龍二「木の匙(さじ)」、新潮社、読了。
- 皿、ボウル、カトラリー等々、簡素で底力のある木工作品を世に送り出している工芸家・三谷龍二氏のエッセイ集。
ことばの選び方に必然性があるといいますか、どの単語も粒だっていて、文の流れになったときの美しさが、なんというかなぁ、最近お目にかからなくなったたぐいのもの。とにかく、うっとりするやら感服するやらで、読み終えるのがもったいない気分になりやした。氏が撮影した写真も、モランディの絵のように静かですばらしい。大当たりっ☆☆
―ふだん見過ごしていたものに気づくということ、それもつくるということなのだ。机の上で考えるより、さまざまな暮らしのなかで「こんなものがあるといいな」と、気づいたものをつくる。無から有をつくり出すのが創造ということならば、すでに世の中にあったものに「気づく」ということは、なんと言うのだろう。p30
*芋蔓本*
岡田温司「モランディとその時代」人文書院
