江國香織「東京タワー」マガジンハウス、読了。
映画が公開されたのは今年の春だったけかな。遅ればせながら、読んでみました。
内容を簡単にいうと、代官山でブティックを経営する40歳を過ぎた美女(詩史)と大学生の男子(透)の恋物語。男の子は恋人以外のニンゲンはほとんど目に入らず、ひっそり淡々と日常を送っているという設定で、おそろしく一途なところが同じ著者の「神様のボート」を連想させます。
ただ、「神様のボート」は、大人のための寓話みたいなフィクショナルな味わいが目立つのに対し、「東京タワー」は風俗読み物的な雰囲気があるかな~。男女が逆だったらワタナベジュンイチに近づいちゃうんだろうか、なんて考えながら読み終えました。
透には一切がわからなかった。予想していたような修羅場にはならなかった。「お客さん」について、浅野は何も尋ねなかった。詩史も浅野も落ち着いており、動転しているのは自分だけのような気がした。裸で。服を抱えて。p168
ふたりで出かけた軽井沢の別荘に、詩史の夫が予定より早く到着するシーン。だれひとりとして泣いたりわめいたりしないところが、あきらかにワタナベ氏と異なるですね。あ、透のキャラを際立たせる役目の耕二(透の友人)の恋人(35歳)は、泣いたりわめいたりするので伝統的かも (^_^;)
*芋蔓本*
吉本ばなな「とかげ」新潮文庫に収録されている「大川端奇譚」
江國香織「神様のボート」新潮文庫
