自我のトリックを見破ってしまえば、
この世界には、個人と呼べる人間は誰一人いない。
自分だ!他人だ!人間だ!
と言って見ているのは、捉えているのは、自我という
「世界を分ける分離フィルター」の働きだけ。
なぜ、この世界と自分を分けるフィルターが、ずっとあるのか?
それは幼い時から始まった分離感覚。
家族から、母親から、父親から、誰かから、
肉体としての自分のイメージが、あらゆる現象から、
〝受け入れられていない〟
と感じた分離感覚に始まり、
『個としての自分』
『自分以外の誰か』
『自分以外の世界』
が出来上がる。
ここに肉体として現れている、扱われている自分が、
起きる現象に受け入れられていないと感じる自分が、
そのまんま『自分のイメージ』として棲みついた。
それこそ何十年〝自分〟という感覚の一部
として棲みついた。
これが〝個としての分離した私の始まり〟
起きる現象に、受け入れられている、受け入れられていない、
と絶望したり、安心したり、忙しい〝個としての私〟と、
その忙しく『受け入れられた!受け入れられていない!』と
やっている分離したイメージの自分のすぐそばで、
それらを全て、
視ている何かがいる。
自我の分離イメージに夢中になるあまり気づかなかった、
すべてに気づいて、最初から受け入れている何か。
それは、いったい、なに?
ハイアーなんちゃらでも、守護霊でも、高次の何かでも、
そんな安っぽいラベリングじゃとらえきれない、何か。
人じゃない。誰かじゃない。エネルギーでもない。
圧倒的な、何か。
全部知っていて、受け入れてて、分離した自我もすべて
見ていて、何もかも、受け入れている、何か。
本当は、それしかない。
それだけしかない。
それが本当の自分。
誰もいない、愛しかない世界。