脳神経を修復する細胞をつくるのに不可欠な物質を、広島大の研究グループが突き止めた。脳梗塞などから脳神経を守る薬の開発に役立つ成果で、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版で25日発表する。
鍵を握るのは、脳神経修復や栄養の供給を担うアストロサイト細胞内にある、オアシスというタンパク質。大学院医歯薬保健学研究院の今泉和則教授(生化学)と斎藤敦助教たちがマウス実験で働きを調べた。
オアシスをつくる遺伝子のないマウスの胎児と正常な胎児を比較。受精後18日半で生じたアストロサイトの数は、オアシス遺伝子のない胎児は正常な胎児の約4分の1にとどまった。
成長したマウスの脳の一部にアミノ酸の一種を与える実験では、オアシス遺伝子のないマウスは神経細胞死が広範囲で起きた。脳の動脈にカテーテルを入れ、脳梗塞を起こす実験も実施。死んだ細胞の体積を調べたところ、オアシス遺伝子のないマウスは正常なマウスより約2割大きかった。アストロサイトの誕生を決める遺伝子がオアシスによりできることも突き止めた。
出典:中国新聞