フィリピンで怖いものは地球温暖化とエルニーニョです。

産業化後に排出量が急速に増加した温室効果ガスが地球温暖化を引き起こし、35億人が暮らす熱帯地方を砂漠化しつつあります。

 

また、地球温暖化を要因とする気候変動現象が世界中で起きて、人類の生存を脅かしているのです。

 

猛暑地域の拡大(2070年)(米国科学アカデミー)

地球温暖化による酷暑地域の拡大予測マップ

 

気候変動による主要なリスク(JCCCA)

気候変動による主要リスク8項目

 

そして、2026年6月11日に米国海洋大気庁(NOAA)の国立気象局(NWS)は熱帯太平洋でエルニーニョ現象が発生したと発表し、エルニーニョ警報を発令しました。

 

太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より2.0度以上高くなる確率は現在63%で、この基準値を超えると、NOAA はその現象を「非常に強い」エルニーニョ現象とみなします。

 

2026年6月第1週の熱帯太平洋赤道付近の平均海面水温(NOAA)

太平洋水温分布図:エルニーニョ現象の兆候

註)暖かさを表すために様々な濃淡の赤とオレンジを使用

 

エルニーニョ現象は東南アジアに高温と乾燥をもたらすだけでなく、世界の平均気温を上昇させ、各地に異常気象を引き起こします。

 

フィリピンにおける2024年3−5月の歴史的な猛暑と異常乾燥は地球温暖化とエルニーニョ現象の相乗効果によってもたらされました。

 

エルニーニョ現象は、世界のさまざまな地域で降雨パターンを変化させる(WMO)

エルニーニョが世界の降雨パターンを変える地図

 

乾燥状態、渇水、干ばつが危惧される地域(2024年4月末)(PAGASA)

フィリピンの干ばつ・渇水・乾燥地域予測図

 

2000年以降のエルニーニョ現象発生年とその強度は下表の通りで、最近はエルニーニョ現象の強度が増していると判断されます。

 

これは地球温暖化による海水温の上昇がエルニーニョ現象の発生を助長し、熱帯太平洋全域における異常に暖かい海底温度(平均の6℃以上)が表面温暖化に寄与する熱源となっているためです。

 

2000年以降のエルニーニョ現象発生年とその強度

エルニーニョ発生年と強度一覧

 

今年6月に発生したエルニーニョ現象は「非常に強い」レベルに達する可能性が高いと予測されています。

 

日比の気象機関・会社によるエルニーニョ現象の進行過程と地元General Santosの天候の予報は次の通りです。

 

2026年エルニーニョ現象の進行過程とGeneral Santosの天候の予報

エルニーニョ期 General Santos の天候予測

 

猛暑と異常乾燥が発生すると予想される2027年3−5月のGeneral Santosの気温と降水量の予報は次の通りです。

 

2024年3−5月よりも高温、少雨となる可能性が高くなっています。
 

2027年3−5月のGeneral Santosの気温と降水量予報

2027年3-5月のGeneral Santosの気温・降水予報

 

気候変動によるリスクに対応し地球温暖化を阻止するために、バイオテクノロジーによる新たな食料供給産業、温室効果ガスを排出しない核融合発電、研究開発を促進するAGIと量子コンピュータなどの開発が世界中で進められています。

 

しかし、いずれの開発も2050年までの実現が目標で、とてもフィリピンには間に合いそうもありません。

 

ムーンショット目標(内閣府)

2050年の持続可能な食料供給産業とバイオテクノロジームーンショット目標10:フュージョンエネルギー活用

 

工場からのCO2排出と海洋汚染誤り耐性型汎用量子コンピュータのイメージ

参考資料:

(1)「NOAA Home June 11, 2026」 NOAA

(2)「Prepare for El Nino」 WMO